及川さいど
やってしまった...
こんな人が大勢いる場所で 今1番やってはいけないことをしてしまった
「な、な、な、なん...」
顔を真っ赤にしてこっちを睨むあなた。
そんな顔してもこっちからしたら逆効果なの分かってないのかな
岩泉「クソ川やったなぁ?!」
花巻「あーあ あれは救えねぇわ」
松川「やった本人も固まってどうすんの」
「なんで...?」
もう嫌いになったのにキスされたから嫌なのか
それとも
黒尾「お前さすがに今のは」
黒尾が見てたから嫌なのか...
及川「...ごめん」
もしそうだとしたら泣きたいのは俺なのに
黒尾に肩を抱かれて慰められているあなたを見たら涙すら出ない
岩泉「ちょっとお前来い」
国見「何してんすか...」
及川「勢い...というか」
花巻「勢いとか尚更ダメだろ」
好きなまま別れて久しぶりに会ってあんな可愛い事されたら引き止めてキスしたくなる なんて言っても多分わかってくれない。
今はただ謝ることしかでき____
「ごめん ちょっとびっくりしただけ」
及川「え...」
「夜ご飯食べてから夜練するんじゃないの?」
岩泉「する、けど お前冷静すぎ」
「冷静が取り柄の柳瀬あなたです」
なんでそうやって笑って接してくれんの?
俺めっちゃ最低なことしたのに
「徹もほら 食べて 冷めるよ」
及川「なん、で」
振り絞って出した言葉がこれ
情けない。
「あんたと何年の付き合いだと思ってんの 岩ちゃんも」
「徹が急にしてくるなんて日常茶飯事だったでしょーが!自分からしといて何忘れてんの」
そう言いながら俺と岩ちゃんの背中を叩く。
お騒がせしました と言いながらあなたは孤爪くんの隣に座ってご飯を食べ始めた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!