〜次の日〜
いつもよりも早く目が覚めた。
怖いぐらい綺麗に黒に染まっている空、
その黒をかき消すように光る眩しい月、
何だか誰かの人生に
手を差し伸べているシーンのよう。
〜朝〜
〜さとみ視点〜
目が覚めて、何となく天井をじっと見つめてみる、
見つめても別に色が変わるわけでもないのに、
何だかベッドから動く気になれない。
気だるい身体を何とか動かしながら、
リビングへ向かう。
普段は母が料理をしたりするキッチンに、
ジェルが立っていて少しびっくりした。
昔からいつもと違った事をしようとするのは、
迷っていたり不安な事があった時のジェルの癖だ。
ジェルの作る料理は美味しい、
美味しいけれど…何だか、不思議な味がする。
お母さんに料理を教えて貰えず、
独学で料理を学んだ事も関係するかもだが、
それとはまた違う…、何言うのだろう…、
他のものとは違う、不思議だけど美味しい味がする。
ジェルは軽く笑って、
と、慌ただしく出ていった。
ジェルに友達が出来た事は嬉しい、
だけれど、やっぱりジェルが
俺から離れていく事が悲しい。
いつかはそうなる物、わかっているけれど、
俺にはもう時間が無いんだ。
その間に、もっと仲良くなれたらいいのに、
でも、ジェルの今の心の状態じゃ難しい。
どうしたらジェルと仲良く……
最近よく咳き込んでしまう、
きっと寿命が近付いて来ているのだろう、
簡単そうで、難しい。
きっとこれが、
俺が×ぬまでに成し遂げたいことだろう。
今回短くてすみませんっ!
受験勉強で忙しくて……っ、
できるだけ沢山投稿出来るよう頑張りますっ!
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!