角名:それじゃあ行ってくるね
あなた:うん……行ってらっしゃい…!
- 翌日,熱は大分下がっていたけど
りんくんからもりんくんママからも止められて
今日は学校を休む事にした
母:あなたちゃん
あなた:!はい……!
母:後でお粥作って持っていくわね!
あなた:ありがとうございます…!
- りんくんママは本当に優しかった
こんなお母さんがいて良いなって
昔からりんくんの事が少し羨ましかった____
コンコンッ
あなた:……?はーい
仁菜:あなた!
あなた:!仁菜!
- 夕方頃,仁菜がお見舞いに来てくれた
仁菜:もう大丈夫そうなん?
あなた:うん!明日から行けるよ!
仁菜:ほんまに?良かった!
- あたし達はテーブルの横にあるクッションに座り
話をしていた
仁菜:足も平気なん?
あなた:少し痛むけど普通に歩けるよ!
仁菜:よかったなぁ!
あなた:侑くんに感謝しないと……
仁菜:あーあんな奴に感謝せんでもええやろ( 笑 )
- 仁菜はそう笑っていた
でも____やっぱり侑くんにお礼を言いたい
何気にLINEとか知らなかったから
まだお礼言えてないんだよね
仁菜:でも珍しい事もあるんやなぁって思ったわ
あなた:え……?
仁菜:だってあの女嫌いの侑がびちょ濡れになりながらもあなたをおぶって山下りたんやで?
- 『 今日雪降るんかと思ったわ 』と仁菜は言った
確かに____
何で侑くんはあたしを助けてくれたんだろう
仁菜:………ま,侑も前に進めるとええなぁ
あなた:え……?何か言った……?
仁菜:なーんも?てかやっぱり侑には何とも思わんの?
- " 恋愛をしたくない "
それを告げた時仁菜はすごく驚いていた
" 可愛いのに勿体無い "
仁菜はそう言ってくれた
あなた:うん……今は侑くんの事優しい人だなとは思うよ?
仁菜:それだけ?
あなた:?うん。それだけだよ?
仁菜:侑が前進んでもあなたがこれじゃなぁ……
あなた:え?
- 『 なんでもない 』と仁菜は笑った
仁菜:ねぇ
あなた:……?
仁菜:何であなたは恋愛しとおないの?
あなた:え……?
仁菜:過去に………何かあった?
- 仁菜は真剣な顔をして話し始めた
仁菜:何か訳があるなら話して欲しいなって
あなた:え………?
仁菜:やって私達もう友達やん!!
- " 友達 "
その言葉にあたしは少し涙を浮かべた
仁菜:無理にとは言わんけど話せば楽になる事もあると思うし,あなたの力になりたいねん
あなた:仁菜………
- 仁菜は優しくあたしの手を握ってくれた
あたしは一冊の雑誌を取り出した
あなた:このモデルさん……知ってる?
仁菜:え?おん……凛々華やろ?
- 愚問だった
今の女子高生で" 凛々華 "を知らない人が
いるはずがない____
あなた:あのね______
- あたしは全てを仁菜に話した
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!