- 翌日 文化祭2日目
仁菜:へぇ,じゃああの後ほんまに侑と回ったんや?
あなた:う,うん……
- あたしと侑くんはあの後浴衣のまま文化祭を回った
あたし達を見て噂をする生徒は少なくなかった
仁菜:侑とええ感じやん!
あなた:そ,そんな事ないよ…!
- 侑くんがあたしと回ったのは
あたしがマネージャーだから
あなた:侑くんには好きな子が居るんだよ?
仁菜:?それがどないしたん?
あなた:だからあたしと回ってても" いい感じ "とは見られないでしょ?
- あたしがそう言うと仁菜は苦笑いしていた
仁菜:あんなぁ……したら一緒に回ろう言い出したのはどっちや?
あなた:え……?侑くんだけど……
仁菜:女嫌いの侑があなたの事を誘った理由は?
あなた:え?マネージャーだから……だよ?
- 仁菜はそれを聞いてガクッと肩を落とした
仁菜:マネージャーだからって普通誘うと思うん?
あなた:え……?うーん……?
- でも女嫌いだったとしても
マネージャーだから誘えるっていうのは
あると思うんだけどな____
仁菜:はぁ……で,あなたは?
あなた:え?
仁菜:あなた自身侑のことどう思うん?
あなた:え……?
- 侑くんのこと____どう思う?
あなた:かっこいいなって思うよ…?
仁菜:それから?
あなた:一緒にいて楽しいし,大切な仲間であり友達だと思ってるよ?
仁菜:それだけ?
- 仁菜は真剣な顔であたしを見詰めた
仁菜:ほな,昨日回れたこと嬉しいと思った?それとも嫌やと思った?
あなた:え____?
- 嫌なんて気持ちは全く無かった
寧ろ____
あなた:嬉しかった……よ……?
- 侑くんが助けてくれたこと
文化祭回ろうと誘ってくれたこと
侑くんにされること全てが____嬉しかった
仁菜:侑の事は他の男子と違うと思う?
あなた:え____?
- 確かに____他の男子とは違うとは思うけど……
仁菜:あなた
あなた:………?
仁菜:自分の気持ちにはよ気付き
- 自分の気持ち____?
侑:あなた,昨日はありがとなぁ!
あなた:あ,うん!こちらこそありがとう!
- ちょうど男子も着替え終えて教室に入ってきた
今日は文化祭2日目,一般公開日だ
侑:今日も変な奴来たら呼ぶんやで?
あなた:え?
『 俺が助けたるから 』
あなた:……!
女子:クラス開けるでー!
- 侑くんはそう言って優しく微笑んだ
あたしはまた____ドキドキしている
そのまま文化祭2日目がスタートした
女子:ねぇ,あの人かっこよくない?
女子:ほんまや!めっちゃイケメン〜!
女子:声掛けてみる?どないする?
- 他校の生徒達も侑くんを見て騒いでいた
やっぱりモテるな____
?:あなた………!
- 突然呼ばれたあたしの名前
そこに立っていたのは
あなた:………お姉ちゃん______?
- サングラスを外したお姉ちゃんと____
及川:久しぶりだね,あなたちゃん
- あたしの____初恋の相手
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!