あなた:え____?
侑:凛々華もさっき言うてたけど,今日二人でおったのはほんまに誤解
あなた:え………?
侑:その……クリスマスプレゼント,一緒に買うてたんや
- そう言って侑くんは
可愛らしく包装された箱をあたしに手渡した
角名:この包装………
あなた:………!
- りんくんも気付いたらしい
この包装は____もしかして
侑:開けてみぃ
あなた:う,うん………
- あたしはゆっくりと箱を開けた
するとそこに入っていたのは____
『 わ〜…これきれい……! 』
「 これがほしいの? 」
『 うん!これかわいい……! 』
「 ……でもおれたちにかえるねだんじゃないね 」
『 ……いいんだ。みてるだけで! 』
「 え? 」
『 きれいだから……みてるだけでしあわせ! 』
「 そっか。でもほんとうにきれいだね,この____ 」
あなた:………シーグラスのネックレス………
- 箱の中に入っていたのは
昔からあたしが大好きだったシーグラスのお店の
可愛いネックレス____
あなた:これ,どうして……?
凛々華:あなたがずっとそういうの欲しがってた事,覚えてたんだ!
あなた:え………?
- だからわざわざ侑くんは
お姉ちゃんと一緒に買いに行ってくれたの____?
侑:ネックレス貸してみ
あなた:え?
- 侑くんがあたしの手からネックレスを取ると
あたしの首にネックレスを掛けた
侑:やっぱり似合っとるな
あなた:え……?
侑:この色,あなたに似合うと思ってん
あなた:……!
- 侑くんは優しく微笑んでいた
侑:あの時した告白には嘘偽りなんてあらへんよ
あなた:え……?
侑:あなたにフラれたあの日からも,あなたへの気持ちは大きなる一方やった
- 侑くんは真剣な顔で
あたしを見詰めながら話し始めた
侑:及川が本当はあなたを好きやったって知った時,俺はほんまに焦った
あなた:え……
侑:あなたが……及川の所に行ってまうんやないかって思ったんや
- あの時にはもうあたしの気持ちは____
侑:でもあなたは及川をフッた。それは安心したんやけど____
- " 違う人が頭に浮かぶって言うたやろ "
そう。浮かんでいたのは____違う人
侑:せやから余計に焦ったんや。俺は先を越されてしもたんかって
あなた:………!
侑:誰か死ぬ程気になった。でも気になるだけやと何も変わらへん
『 あなたが誰かのものになる前に
もう一度思いを伝えんとって思ったんや。』
侑:あなた
あなた:……?
侑:今お前が頭に浮かべる奴が誰かは分からへん。でも____
『 俺の好きな奴はずっとあなたなんや。』
侑:せやから____俺と付き合って下さい。
- あたしは侑くんがそう言い終わる前に____
あなた:ッ
侑:……!!
- 侑くんに抱き着いた
侑:あなた………?
あなた:あたし,恋愛から背を向けてた
侑:………!
- 徹先輩を好きになって
お姉ちゃんが好きで近付かれたって勘違いをして
勝手に恋愛から背を向けてた
あなた:あたしが心を許せる人はりんくんしかいなかった
角名:………!
あなた:でも……侑くんと出会ってそれは変わったの
- 最初は嫌われていたし怖かった
でもあたしに心を開いてくれた
そんな侑くんに____あたしも心を開いた
あなた:徹先輩に告白された時,正直凄く驚いた
侑:………
あなた:でも,あたしの頭の中に浮かぶのは侑くんの顔だったのッ……
侑:え____?
- 徹先輩からだけじゃない
他の人に告白された時も
浮かぶのはいつも侑くんの顔だった
あなた:侑くんはあたしにとって本当にひまわりみたいな存在だよ……!
侑:………!
あなた:あたし,真っ直ぐな侑くんにいつの間にか惹かれてたの
- 惹かれてただけじゃない____
あなた:あたし,侑くんの事がッ………!
『 好きです。』
- あたしがそう言った瞬間
二人の唇が重なった____
侑:ほんまに……?
あなた:え……?
侑:ほんまに俺の事が好きなん……?
あなた:うん,大好きだよ……!
- あたしが柔らかく微笑むと
もう一度二人の唇が重なった
侑:あなた
あなた:?
侑:もう一度言うな
『 俺と付き合って下さい。』
あなた:よろしくお願いします……!
侑:絶対に離さへんからな
あなた:え……?
侑:絶対に……俺が幸せにしたるから
あなた:……!うん……!
- 最高に幸せな____クリスマスだった。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!