- 夕日に照らされたひまわり畑
あたしはそれを見て
過去を思い出してしまった____
あなた:ん………もう朝………
- 合宿3日目,疲れも溜まってくる頃
あたしはいつもよりも気怠い身体を起こした
角名:あなたおはよ
あなた:りんくん!みんな!おはよ!
治:はよ
侑:………はよ
- 食堂で朝食を作り終えた頃に
ぞろぞろと部員達が入ってきた
銀島:疲れてきたなぁ
治:後1日半あるで
角名:あなたも無理しないようにね?
あなた:うん!ありがとう!
- 席につく部員に朝食を配り
食欲の無いあたしは食堂を後にした
あなた:あっつ………
- 朝食が終わると3日目の練習が始まった
この体育館には
外の陽の当たるところにしか水道が無くて
あたしは直射日光に当たりながらドリンクを作っていた
あなた:あ,そろそろ休憩だ……行かないと……
- 休憩時間になると思い作り終えたドリンクを籠に入れた
その籠を持ち上げて体育館に戻ろうとした瞬間
あたしは意識を手放した______
あなた:ん………
- どのくらい意識を失っていたのだろう
あたしは目を覚ましてゆっくり目を開けた
目の前に映るのは見慣れない天井
そして額には温くなったタオルが置かれていた
あなた:此処は……医務室……?
- 辺りを見渡すと2日前にも見た光景
侑くんを看病した時に使っていた医務室だった
あたし____倒れたんだ
侑:目覚めたん?
あなた:え………?
- 突然医務室の扉から侑くんが入ってきた
侑:具合どうや?
あなた:え……?
侑:自分,ボトル運ぼうとして外で倒れたんやで
あなた:え………!
- やっぱりあの時____倒れたんだ
侑:急に外から大きな音がしたから何事かと思って外に出たら自分が倒れとったんよ
- 『 えらい焦ったわ 』と侑くんは言った
侑:運ぼうとして触れたら身体えらい熱いから焦ったわ
あなた:え……?
侑:熱中症やって。あんな炎天下の中直射日光浴びながらドリンク作ってたらそりゃなるわな
- 『 全然気付けんくてごめん 』
侑くんは眉を下げながらそう謝った
あなた:あ,侑くんが謝ることじゃないよ……!
侑:でも……
あなた:あたしこそ迷惑掛けてごめんね
- あたしは眉を下げながらそう微笑んだ
侑:迷惑だなんて思っとらんよ
あなた:え……?
侑:寧ろあなたは俺のことも看病してくれたやろ?
- 『 せやからおあいこや 』
侑くんはそう笑って
温くなったあたしのタオルを取り替えた
侑:にしても無理する癖はほんま直らんなぁ
あなた:う"………
侑:中学ん時もマネしとったんやろ?こんな感じやったん?
- 中学の時______
『 無理しすぎ。もっと頼ってよ 』
よく____言われてたっけ
侑:まぁ無理してまうのは分かるけどもっと頼ってや
あなた:え____?
侑:あなたも大切な仲間なんやから
『 あなたちゃんも大切な仲間なんだから 』
あなた:………!
侑:?どないした?
あなた:う,ううん………
侑:?そうか?ほなまた後で来るからなぁ
- 侑くんはそう言って頭を撫でて医務室を出て行った
あの時の光景と____重なった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!