部員達:お疲れッした!!!!
- 入部してから数日が経った
毎日ハードな練習であたしも結構疲れていた
でも部員の負担を減らさないと____
あなた:ボトル貰います…!
- あたしは部員達からボトルを受け取った
______その時
あなた:ッ………!
- 手に力が入らなくなり
持っていたボトルを全て落としてしまった
あなた:す,すみません……!
- あたしは急いで拾おうとボトルに手を伸ばした
すると______あたしの手に重ねられた手
侑:無理してんなや
- 重ねられた手は____侑くんの手だった
侑くんはそのままボトルを全て拾い上げた
侑:サム
治:ん?
侑:俺ボトル洗ってくるから此奴座らせとき。んで片付けせんように見張っといてや
あなた:え……!?
- 侑くんがそう言うと
治くんは『 わかった 』と言ってあたしを端に座らせた
あなた:お,治くん…!あたしも片付けするよ…!
- あたしは立ち上がろうとした
けど____それは治くんによって止められてしまった
治:ツムにああ言われたしダメや
あなた:なんで…!?
治:あなたは無理しすぎやで
- 『 もっと部員頼ってや 』
そう頭を撫でて片付けに行ってしまった
角名:あなた,これ
あなた:へ……?
- りんくんに渡された一本のボトル
角名:侑があなたに飲ませろってさ
あなた:え……?
- 侑くんが____?
角名:あなた休憩中も休まないで働いてたでしょ?
あなた:う"………
角名:脱水症状起こしてるんじゃないかって言ってたよ
- だからあの時手に力が入らなかったのか
今でも少し____痺れている
角名:治も今言ってたけど,もっと俺達のこと頼って?
あなた:でも……
角名:あなたが倒れたりなんてしたらそれこそ練習捗らなくなっちゃうよ?
- 『 だから今はちゃんと休んで? 』
そう微笑んでりんくんは片付けに行ってしまった
侑:なぁ
あなた:へ……?
侑:これ何処にしまうん?
- 洗ったボトルが入った籠を
侑くんが持って体育館に入ってきた
あなた:あ,の……!片付けとくから大丈夫だよ…!
- 『 ありがとう 』と言って手を伸ばした
しかし____
侑:俺は片付ける場所を聞いとるんやけど?
- そう言って侑くんは
あたしが届かないように籠を上に上げた
あたしが持つと結構重く感じていた籠を
軽々と持ち上げていた
あなた:そ,それマネの更衣室にある物だから持ってくよ…?
侑:そうなん?したら置きに行くついでに送ってっちゃるよ
あなた:え……?
- 『 行くで 』と言って歩き出した侑くん
あたしは慌てて侑くんの後を追いかける
あなた:あ,の……侑くん……?
侑:なんや
あなた:やっぱり持つよ……?
- あたしは再び籠に手を伸ばした
侑:いつも重そうに運んどるんやから籠くらい部員に頼めやアホ
あなた:え……?
- 何で重そうに運んでるって知ってるの____?
侑:角名とかサムとかおるやん自分が話しとる部員
あなた:そう……だけど……でもマネージャーは部員の負担を少しでも減らさないとだし……
侑:自分アホなん?
あなた:え……?
侑:マネージャーやって大事な部員やろが
あなた:……へ……?
侑:あなたは一人で負担抱えすぎや
- 初めて名前で呼んでくれた
侑:そりゃあ負担減らしてくれるのは嬉しいけどそれは練習中だけでええやろ。片付けとかは自分も使っとるし部員もやるもんやで
- 『 せやから自分一人で負担抱え込むなや 』
そう侑くんは言ってくれた
侑:もしあれだったら全然俺に言うてくれても構わんから
あなた:え……?
侑:とりあえず一人で負担全部抱え込むなやって話や!
- 『 わかったな!? 』と侑くんに言われる
心配____してくれてたのかな?
あなた:侑くん
侑:なんや
あなた:ありがとう…!
- あたしがそう微笑むと
『 別に…… 』と言って照れたように頬をかいていた
あたし___侑くんと少しは仲良くなれたかな?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。