第75話

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2020/08/08 08:27




















及川:急にごめん




あなた:い,いえ……









- あたし達は合宿所を出て直ぐのベンチに座った











及川:二人で話すのはいつぶりだろうね




あなた:……そうですね……











- 徹先輩がお姉ちゃんと付き合い始めてから

もう____二人きりで話す事なんて無かった










及川:急に兵庫の高校を受けるとか言うからさ,俺も凛々華も驚いたよ




あなた:………




及川:………まあ……俺のせい……だよね









- 徹先輩は小さな声でそう言った













及川:………信じて貰えないかもしれないけど……俺の話を聞いてくれないかな……?




あなた:え……?




















- 徹先輩はゆっくり話し始めた



















及川:俺………凛々華目当てであなたちゃんに近付いた訳じゃないよ




あなた:え____?



















- " 凛々華目当てじゃない "

どういう事____?





















及川:凛々華目当てであなたちゃんをマネに誘った訳じゃないし,凛々華に近付きたくてあなたちゃんと仲良くしてた訳じゃない




あなた:え………




及川:誰からも愛される凛々華を見て寂しがってたあなたちゃんの事を本当に支えてあげたいと思ってた























- 『 この気持ちは嘘じゃない 』

そう言う徹先輩は真剣な顔をしていた























及川:………俺,凛々華に告白されたんだ




あなた:え………?




及川:あなたちゃんに付き合う事になったって報告をしたあの日,凛々華に呼び出されて告白されたんだ




















- 告白って……お姉ちゃんからだったの____?




















及川:俺はその時,凛々華とは別に好きな子が居た




あなた:え……?




及川:でもその子は……俺の事をお兄ちゃんとしか見ていなくて……絶対に振り向いて貰えないと思ったんだ






















- お姉ちゃんじゃない____好きな人?



















及川:だから俺はその好きな子が他の誰かのものになっても近くに居られるように____凛々華と付き合った




あなた:え____?






















- 好きな子の傍に居られるように

お姉ちゃんと付き合った____?




















及川:あなたちゃん




あなた:………?




及川:俺____






























『 ずっとあなたちゃんの事が好きだったんだ 』









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