第101話

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2021/05/02 12:49




















侑 side












治:いつまで意地張っとんねん




侑:うっさい。張っとらんわ












- あなたに酷い事を言うてしもた

完全に俺の嫉妬やった

早く謝らんと。そう思うのに

中々素直になれんかった











治:そないな事して,あなたが誰かに取られても知らんで?




侑:誰かって誰やねん




治:ツム,あなたが自分の彼女やからって安心しきっとるん?




侑:え?




治:現に湊が狙っとるんやろ?ツムはそのせいで嫉妬してあなたに当たってしもたんやろ?




侑:ッ……!












- 確実にあなたを狙っとる木村湊

付き合ってからは結構俺が相手やから言うて

男子はあなたに近寄らんようになった

でも____奴は違った












治:湊を見てる限り彼奴は本気であなたが好きやで




侑:……




治:それに加えかっこええし,いつ取られたってツムは文句言えへんで?












- わかっとる。わかっとるけど____










治:ほんまにあなたが好きならはよ仲直りしぃ




侑:え?










- " あなた,きっと待っとるで "

せやな

いつまでもこんなん俺も嫌や____








































侑:?何や……?











- 朝練が終わって俺たちは教室に向かった

靴箱まで着くと掲示板に人が群がっとった

生徒達はあなたを見るなり悪口を言いよった

" 勝手なこと言ってんなや "

そう怒鳴ろうとした俺の視界に入ったのは

____あなたと湊がキスしている写真









湊:自分の勝手な嫉妬で彼女を傷付けていたのは侑先輩ですよね?




侑:ッ……!













- 湊に正論を言われた

気付かんフリをしていただけで

あなたはえらい傷ついとったんや____









湊:彼女,俺がもろたんで












- そう言って湊はあなたの手首を掴んで走り出した

駄目や………あなたは………





















______俺の彼女や。






















侑:待ちぃ!!!!




あなた:ッ!!











- 俺はそう遠くに二人が行かん内に

あなたの手を掴んだ

振り返ったあなたは____泣いとった












湊:………何ですか?




侑:あなたは俺の彼女や




湊:は?












- 俺はあなたの手を握って目を見詰めた













侑:あなた……すまんかった




あなた:え……?




侑:あなたにあんな事言うてしもたのはほんまに俺の勝手な嫉妬や。あなたは何も悪ない










- あなたはえらい驚いた顔をしとった









侑:あなたの事がほんまに好きやから……取られてまうんやないかって不安になってしもたんや




あなた:え………?




侑:ただでさえクラスが離れて不安やったのに……奪います宣言されたら焦るやろが










- でもそれで嫉妬して

本当に大好きな彼女を傷付けた俺は

ほんまにカッコ悪い彼氏や











侑:俺はあなたの事ほんまに好きや




あなた:え……




侑:あなたを離しとぉないんや
















『 絶対に別れとぉない 』





















- 俺がそう言い終える前に

あなたは俺の首に抱き着いた









あなた:好きッ……




侑:え……?




あなた:あたしも侑くんが大好きだよ……ッ










- あなたは泣きながらそう俺に訴えた

泣かせてしもたな____










侑:絶対に離してやらんからな




あなた:うん。離さないでね……!












- そう微笑むあなたの顔は____えらい綺麗やった












湊:はぁ……勝ち目無しかよ




あなた:え……?




湊:あなた先輩にキスしたのは無理やりです。同意の上やないんで責めないであげてください




侑:……!




湊:ただ,写真はいつ撮られたのか,誰に撮られたのか全く分かりません









- " イケメン彼氏 "なんて書くくらいやから

俺のファンがやったんやろか











湊:侑先輩




侑:?




湊:俺,諦めたつもりないんで












- 湊はそう笑っていた













侑:上等や



















- あなたを幸せにするのは

絶対に俺やからな____





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