母:あなたちゃん,大丈夫そう?
あなた:はい…!もう大分いいです…!
- 翌日の朝,全然熱が下がらなかったあたしは
近くの病院に搬送された
重度の熱中症だと診断され
あたしは家の近くの病院に再度搬送され
それから入院をしている
母:お医者さんももう少しで退院してもいいって言ってたわ
あなた:よかった……!迷惑掛けてごめんなさい
母:何言ってるの!辛いのはあなたちゃんでしょ?迷惑なんて全然掛けてくれていいんだから!
あなた:ありがとうございます……!
- あたしは合宿を勿論中断した
合宿を終えてからは
りんくん達が毎日お見舞いに来てくれていた
母:そろそろりん達が来る頃かしらね?
- 『 じゃあ,今日はそろそろ帰るわね 』
りんくんママはそう言って病室を出て行った
あなた:………
- 本当はあまり動かないように言われているけど
退屈であたしは病室を抜け出した
あなた:え………
- 病院内を歩いていると中庭のような所に辿り着いた
そこに咲いていたのは____ひまわり
あなた:………
- あたしはひまわりに吸い込まれるかのように
中庭に立ち寄った
あなた:……綺麗なひまわり………
- あたしはひまわりに近付き
そっと花に触れる
綺麗な黄色の花弁
あたしの____大好きな花
侑:あなた……ッ!
あなた:……!侑くん……?
- 急に名前を呼ばれ,振り向くとそこには____
息を切らした侑くんが立っていた
侑:病室行ったらおらんから焦ったわ
あなた:ご,ごめんね……!
侑:退屈なのは分かるけど,まだあんま動いてええって言われとらんのやろ?
あなた:う,うん……
侑:はよ部活にも来て欲しいし,今は無理せんといてや
- 『 な? 』と侑くんはあたしの頭を撫でた
お見舞いに来たらあたしが居なくて
焦って探し回ってくれたらしい
侑:にしてもこないなとこにひまわりなんて咲いとるんやな
あなた:……うん……
- あたし達は中庭にあるベンチに腰掛けて
目の前にあるひまわりを見ていた
侑:この前見たひまわり畑もすごかったよなぁ
あなた:……うん……
- ひまわり畑を見てあたしは泣いてしまった
" 過去を思い出しただけ "
侑くんはそれ以上____触れてこなかった
侑:ひまわりってなんかあなたみたいよな
あなた:え……?
侑:なんかようわからんけど……あなたは花で例えると" ひまわり "って感じするわ
- 『 元気で明るくていつも笑顔なとことか 』
侑くんはそう笑ってくれた
あたしもあの人のことを
ひまわりのようだと思っていた
だから____ひまわりが好きだった
侑:……いつもひまわりみたいな笑顔見せてや
あなた:え____?
- 侑くんは立ち上がってそう言った
侑:俺____あなたの笑顔好きやで?
- 侑くんは振り返って微笑みながらそう言った
侑くんの顔は
夕陽に照らされた" ひまわり "のようだった____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。