- GW合宿 1日目 夜
侑:つっかれたぁ!!
治:腹減った……
角名:治はいつも空いてるじゃん
治:そうやけどさ……
あなた:皆さんお疲れ様です!!
- GWに入って2泊3日の校内合宿が始まった
合宿の練習はいつもよりもキツい
部員はみんなヘトヘトだった
尾白:え,美味そう
赤木:これ全部あなたが作ったん?
あなた:はい!お口に合うといいんですけど……
角名:あなたのご飯は美味しいから大丈夫だよ
あなた:!りんくんありがとう!
- 『 いただきます! 』と言ってみんな食べ始めた
尾白:んま!
北:店の料理みたいやな
大耳:北が言うなら相当やな
銀島:治,もう少し落ち着いて食べたらどうや?
治:やって美味いんやもん
角名:口にすごい付いてるし( 笑 )
- みんなが" 美味しい "と言って食べてくれる
喜んでもらえて良かった____
あたしは洗濯物を干す為に食堂を後にした
あなた:そろそろ食べ終わってるかな?
- 洗濯物を干し終えてあたしは食堂を覗いた
するとそこには人影が____
侑:あ,戻ってきたん?
あなた:え……?
- 食堂に居たのは侑くんだった
あなた:何してるの……?
侑:何って……自分のこと待ってたんやけど
あなた:え……?
侑:まだ飯食うてへんやろ?
- 侑くんの前の席には
少量の夕飯が残されていた
あなた:あ,あたし要らないよ……?
侑:少しでも食べなきゃあかん。倒れるで?
あなた:でもあたし洗い物しないと……
侑:洗い物ならもう終わっとるよ
あなた:え……!?
- 流しを見るとそこにあるはずの食器は0だった
侑:サムとか角名とか銀とかと洗ってん
あなた:侑くんも……?
侑:……おん
- 侑くんは肘をつきながら照れくさそうに目を逸らした
侑:せやからはよ食べ!少しでも食べるまで部屋には帰さんからな!
あなた:え……!?
- あたしは渋々椅子に座って箸を持った
あなた:いただきます……
侑:おん
- 自分の作った夕食に手を付けた
でもやっぱりおかずもご飯も
3分の1くらい手に付けたところで
お腹がいっぱいになってしまった
侑:もう要らんの?
あなた:え……うん……
侑:自分,そんなんやから細いんやで?
あなた:え……?
- 昔から食が細くて痩せていたのは姉だった
そんな姉を見て育ったから
あたしも自然と食べなくなってしまっていた
侑:ほなあと一口
あなた:え……!?
- あたしが使っていた箸を取り上げ
おかずを一つ摘んだ
そしてその箸を____あたしの口元へ運んだ
侑:これ食べられたらおしまいにしたる
あなた:え………
- あたしは眉を下げた
でも侑くんは引こうとしなかったので
あたしは渋々おかずを食べた
侑:ええ子やな
あなた:え……?
- 侑くんは優しく微笑んで頭を撫でてくれた
そしてそのまま食器を流しに運んだ
あなた:あ,あたしが洗うから大丈夫だよ…!
侑:ええから休んどき。このくらい洗うわ
あなた:でも……!
侑:ええから,直ぐ終わる
- そう言って侑くんは退いてくれなかったので
あたしは侑くんに洗い物を託した
侑:ッし,したら部屋戻ろか
- 『 部屋まで送る 』
そう言って侑くんは歩き始めた
あたしは慌ててその背中を追いかけた
侑:此処よな?
あなた:あ,うん!ありがとう!
侑:ええねん。ゆっくり休むんやで?
あなた:侑くんもね!
- お互い微笑んで『 また明日 』と別れようとした
侑:あ……なぁ!
あなた:へ?
- 部屋に入ろうとした時
侑くんに呼び止められた
侑:超今更なんやけど……LINE教えてくれん?
あなた:え……?
- みんなとは大体入部の時に交換をした
でも侑くんは最初あたしのことを避けていたので
交換するタイミングを失っていた
あなた:いいの……?
侑:おん。交換しようや
あなた:うん……!
- お互い携帯を取り出してLINEを交換する
侑:呼び止めてすまんな。おやすみ
- 侑くんはそう微笑んで部屋に戻って行った
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。