あなた:綺麗〜!
侑:そんなに気に入ったん?( 笑 )
あなた:うん!本当にありがとう!
- 侑くんが買ってくれた電球ドリンクを見ながら
あたしはもう片方の手で侑くんの手を握り
二人で歩いていた
侑:そろそろ集合場所行こか?
あなた:そうだね!
- 集合場所に向かおうと方向転換した時____
あなた:ッ………
- 足元が ズキッ と痛んだ
侑:?あなたどないしたん?
あなた:う,ううん……!何でもないよ……!
- あたしは痛みを我慢して微笑む
人混みで足元がよく見えない
足がどうなってるのか_____わからない
『 無理してんなやアホ 』
- 侑くんはそう言いながら優しく手を引いて
ゆっくりと人混みを抜け始めた
あなた:侑くん……集合場所あっちだよ……?
- 人混みを抜け神社の方に歩いてきた
此処には人もいなくてとても静かだった
侑:ここに座り
あなた:え……?
- 神社の階段のところに侑くんがタオルを敷いてくれた
侑:あー……やっぱりなぁ
あなた:え……?
- 侑くんはあたしを座らせて
ゆっくりと下駄を脱がせた
侑:靴擦れしとるわ
あなた:……!
- 脱がされた下駄
履きなれない下駄に
あたしの親指と人差し指は炎症を起こしていた
侑:浴衣着るからこないなもん履いてくるなとは言えんけど
『 ほんまに無理だけはせんといてや 』
あなた:気付いてたの……?
侑:当たり前やろが。あなたの様子が変で" 大丈夫 "って言う時は大体大丈夫やないからな
- そう侑くんは笑った
侑:集合場所まで結構距離あるし,花火は此処で見るでもええ?
あなた:あ,侑くんは集合場所行ってて大丈夫だよ……?
侑:はぁ?何言うてんねん
『 あなたを置いて一人で行くわけあらへんやろ 』
- 侑くんがそう言った時____
パァンッ
パァンッ
侑:お,花火始まったみたいやな
あなた:……!綺麗……!
- 此処の神社は見晴らしも良くて
花火もよく見えた
『 あなたと見れてよかったわ 』
- あたしが驚いて侑くんを見ると
侑くんは優しく微笑んでいた
どうして______?
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!