角名:あなた!!!!!
あなた:……!
侑:遅かったなぁ
角名:え,侑……?
- 侑くんはあたしと食堂に来ると
" 料理あんま出来んけど手伝う "と言って
あたしの手伝いをしてくれていた
角名:何で侑……?
侑:別に。手伝っとるだけや
角名:え……?何で……
侑:ええやん手伝うくらい。駄目か?
角名:………
- りんくんは驚いた顔をしていた
あたしも正直驚いている
だってあの侑くんが____
あたしの手伝いをしてくれているのだから
角名:あなたはもう平気そうなの?
あなた:ぅ……
- " うん "と言おうとした時
侑くんの手の甲があたしの唇に当たった
侑:大丈夫やない
角名:え?
侑:やっぱり喉奥やられてて声出てへん
角名:……!
侑:せやから無理に喋らせんといて
- 声が出ないあたしの代わりに
侑くんはそう伝えてくれた
侑:無理して声出さんでええから
あなた:……!
- そう微笑む侑くんに
あたしも連られて微笑んだ
北:ちゅーことで3年生が居ないこの合宿中は俺が代わりに主将やるからよろしゅう
尾白:北ええぞ〜!
赤木:何となく北の方が頼りになるよなぁ( 笑 )
- GW合宿中は部活停止になった3年生に代わり
2年の北さんが主将の代わりとなった
北:もうみんな知ってる通りあなたが3年生に怖い思いをさせられたんや
あなた:……!
北:そのせいで喉がやられてもうて今あなたは声が出しにくい状態や
侑:………
北:全く出ない訳やないけど喉に負担かけて治りが遅なっても困る。せやから成る可くあなたに話させないことと仕事の負担も減らしてやること
あなた:ぇ………?
北:大事な仲間が傷付いてる今,サポートするのは部員である俺達やで
角名:………!
尾白:北よく言ったなぁ!
赤木:皆であなたを守ろうや!
- 先輩達のその声に部員皆があたしに笑い掛けた
もう此処は____あたしの居場所なの?
角名:あなた
あなた:………?
角名:良かったね
あなた:……!
角名:此処はあなたの" 居場所 "だよ
- りんくんのその言葉にあたしは涙が溢れそうになった
でも必死に耐えて袖で目元を押えた
北:あなた
あなた:………?
北:これからもよろしゅうな
あなた:………!
- あたしは声が出ない分
全力の笑顔で頷いた____
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。