仁菜:あなたおはよ!
あなた:おはよう仁菜!
仁菜:入院しとったって聞いたけど大丈夫なん?
あなた:もう全然平気だよ!
- あれから数日後,あたしは退院した
それから夏休みも明けて2学期が始まった
あなた:あたし自販行ってくるね!
仁菜:おん!行ってらっしゃい!
- 昼休みになってあたしは自販に向かった
女子:す,好きです…!付き合ってください…!
あなた:……?
- 向かう途中の渡り廊下で
告白する声が聞こえた
そこに居たのは____
侑:………
- 侑くんだった
あたしは通るに通れないのもあったが
少しだけ気になって立ち止まった
侑:……自分とは付き合えへん
女子:で,でも侑くん,彼女とか居ないよね……?
- 『 お試しでもいいから付き合って 』
女子はそう言っていた
お試しでもいいから付き合いたい
そう思わせるほどやっぱり侑くんはモテるんだ
侑:……悪いけどお試しでも付き合えへん
女子:な,なんでッ……!
- 侑くんは" お試しでも付き合えない "と告白を断った
女嫌いだからしょうがない
そう思っていたら____
侑:俺,好きな子おるんねん
- 侑くんに好きな子____?
女嫌いで有名な侑くんが____?
その子も驚いた顔をしていた
あたしも驚いた
でもそれより____
あなた:……なんで……?
- 何故か胸が____痛かった
あなた:………
- 侑くんの好きな子って誰なんだろう
そんな事を考えながらあたしは自販まで来た
いつも飲んでいるいちごミルクを買おうと
あたしはお金を入れようとした
侑:今日もいちごミルク買うん?
あなた:え……?
- 後ろから先にお金を入れられた
そして言葉と同時に押されたいちごミルクのボタン
侑:ほれ
あなた:え……?
侑:?今日はいちごミルクの日やないん?
- 侑くんは取り出し口から取ったいちごミルクを
あたしに差し出した
あなた:いいの……?
侑:おん。自分の買うついでや
- 『 ラッキーやと思い 』と侑くんは笑った
あなた:あ,ありがとう……!
侑:おん。ほな戻ろか?
- 女嫌いの侑くんの隣を歩くあたし
でもそれはあくまでマネージャーだから
そんな侑くんの好きになる子って
一体____誰なんだろう
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!