あなた:ただいま!
角名:ただいまー
母:あらお帰りなさい!
- 『 夕飯出来てるわよ 』
そう微笑んで出迎えてくれたのはりんくんのお母さん
りんくんママは昔からあたしを可愛がってくれた
コンコンッ
角名:ん?どうしたの?
- 部屋をノックするとりんくんが出てくる
あなた:お風呂出たよ!
角名:ん,ありがと
- りんくんも昔からあたしに優しかった
両親が姉にばかり構うから
りんくんはずっとあたしの傍に居てくれた
あなた:じゃあまた明日……
角名:待って
- 部屋に戻ろうと足を向けるとりんくんに呼び止められた
角名:髪まだ乾かしてないでしょ
あなた:え?うん……お部屋で乾かそうと思って
- 洗面台で乾かしてたら
いつになってもりんくんが入れなくなっちゃうから
あたしはいつも部屋で乾かしている
角名:部屋からドライヤー持っておいで
あなた:え?
- 『 早く 』と言われて
言われるままに部屋からドライヤーを持ってくる
角名:そこ座って
あなた:え?
- りんくんの部屋に入らされれば
テーブルの横に置いてあるクッションを指差す
角名:俺が乾かしてあげる
あなた:え!?いいよ自分でやるよ…!?
角名:だーめ。ほら動かないで
- りんくんはあたしを半ば無理やり座らせると
ドライヤーであたしの髪の毛を乾かし始めた
角名:こんなんで寝たら風邪ひくよ?
あなた:ちゃんとお部屋で乾かしてるもん!
角名:ほんと?
あなた:ほんと!
- 笑いながら優しく髪を撫でて
りんくんはあたしの髪の毛を乾かしてくれる
角名:髪伸びたね
あなた:うん!伸ばしてるんだ!
角名:そうなの?長いのに綺麗だね
- 『 手入れしっかりしてるんだね 』とりんくんに言われた
髪を伸ばしていたのには理由がある
そしてちゃんとお手入れも毎日しっかりしていた
角名:はい,おしまい
あなた:ありがとうりんくん…!
角名:どういたしまして
- そう言って微笑んでくれるりんくん
優しい笑顔が昔から大好きだった
角名:そえばマネになること決めたんだね
あなた:うん!秘密にしててごめんね!
角名:いいよ別に,嬉しかったから
- 『 でも何で? 』とりんくんに聞かれた
あなた:悩んでる時に治くんに会ったんだ!
角名:え?治?
あなた:そう!でね,やりたいならやればいいじゃんって言ってくれたの!
- 『 だからやることを決めたんだ! 』
あたしがそう告げると
りんくんは少しだけしょんぼりしていた
角名:はぁ……あなたといつも一緒に居られるのは嬉しいけど
- 『 他の男と話してるの見るの嫌だな 』
そう言ってりんくんはあたしを抱き締めた
あなた:何言ってるの?マネージャーだよ?
- 『 それ以上でもそれ以下でも無い関係だよ 』
あたしはそう笑った
そう____あたしはあくまで" マネージャー "
角名:何かあったら言ってね?
あなた:え……?
角名:侑に嫌な事されたとか……何でもいいからさ
- 侑くん………
あたしは何であんなに嫌われているんだろう
まぁ侑くんも女の子嫌いみたいだし
しょうがないのかな____
あなた:うん,ありがとう…!
角名:ん。したらまた明日ね
- 『 おやすみなさい 』と微笑む彼に
『 おやすみなさい 』と返して部屋を出る
明日からまた____頑張ろう
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。