第120話

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2020/08/14 12:00




















侑 side












『 水城あなたは夜中,川に身を投げた 』












侑:……は……?




警察:たまたま通りかかった人が通報して捜索活動にあたった。1時間で救助されたが意識不明の重体だ














- 警察の奴らの言うてる事が頭に入って来んかった

あなたが川に身を投げた

それは____死のうとしたという事











警察:病院に運ばれたあなたさんは直ぐに治療を受けたが今もまだ呼吸もままならないまま意識不明の重体で変わりがない




角名:そん……な……












- 俺達はそこまで

あなたを思い詰めとったんや













警察:運ばれたあなたさんの身体,顔には無数の痣や傷が見付かった




侑:ッ………!




警察:これは川に落ちた時に作られたものでは無い













『 人工的に作られたものだ 』









警察:そして彼女の肋骨が折れていたそうだ




侑:………!




警察:彼女は異様に痩せていた。だからこの肋骨は落ちた時に折れたのかもしれないと判断はされている











- 違う____俺が折ってしもたんや











警察:あなたさんの荷物に学生証が入っていた。だから調査をしに来たんだ













- 『 知ってる事,話してくれるかい? 』

警察はそう俺たちに言った



















湊:俺が話します




侑:え?




北:湊……?











- 突然前に出てきたのは湊だった













湊:あなた先輩は虐められていました




警察:虐め?




尾白:で,でもそれはあなたも悪くて……!




湊:いいえ






















『 あなた先輩は何もしていません。』



















- 湊は" あなたは何もしていない "

そうはっきりと言いよった









赤木:何もって……してたやろ?桃奈に




湊:先輩達はまだ其奴に騙されているんですか?




赤木:え……?




湊:じゃあ聞きますね?











- 湊は俺と角名の方を向いた










湊:あなた先輩は人を切りつけるなんてするような人やと思いますか?




角名:え……?




侑:……思わへん










- だから最初は疑った

そんなことするはずが無い

そう____疑った













湊:あなた先輩がふざけてでも誰かに手を上げたりとかした事ありましたか?




角名:……無い










- 『 生まれてから一度も,見た事がない 』

角名は震える声でそう言いよった










湊:あなた先輩は____バレー部の事嫌いやと思いますか?









- いつも1番に部員のこと,

人の事を考えて行動しとったあなた

俺はそんなあなたに惹かれたんや____












湊:皆さんが思う通り,あなた先輩はそんな事をするような人やありませんし実際何もしていません




侑:え……?




治:どういう事や……?




湊:桃奈の腕にできていたあの傷は____




















『 桃奈が自分でつけたものです。』






















桃奈:ッ………!




尾白:まさか……そんな……




赤木:で,でもあなたは肯定しとったで?




銀島:せや。侑達が庇った時に助けを求めれば良かったんやないの?











- 確かにそうや

始めあなたを信じた奴は俺を含め何人もおった

でもそんな俺たちに助けを求めず

肯定したのは何でや____?













湊:あなた先輩が脅されていたとしたら?




北:脅されて……?




湊:それも自分に危害が加わるのではなく____大好きなバレー部の事やったら












- きっとあなたは自分を傷付けるとか脅されても

絶対に動じないと俺も思う

でもバレー部の事になったら

きっと____











北:……つまりあなたは




湊:はい。あなた先輩は____
























『 春高出場したければ悪女になれと脅されたんです 』













桃奈:……なんだ。バレてたんだ?




侑:え……?




湊:おかしいと思ったからもう問いただしたんや










- 『 吐き出させるのにえらい時間掛かったわ 』

そう湊は言っていた









桃奈:先輩を嵌めたのは私です




侑:は……?




桃奈:部員達から……侑先輩からちやほやされるあなた先輩が邪魔だったんです











- 『 でもまさか

こんなに上手くいくとは思いませんでした 』

桃奈は悪魔のように笑っとった











侑:この雌豚がッ……!!




桃奈:酷いのはどっちですか?




侑:え?




桃奈:大好きだった彼女を捨てて傷付けたのは侑先輩も同じですよね?












- 俺は………何もしとらんあなたを……

あんな細っこい身体でバレー部を守ってたあなたを……

過去にあんなに傷付いてたあなたを……

自分の手で傷付けてしもたんか____?











角名:ッ今,あなたは何処の病院にいるんですか!?













- 角名が警察官に詰め寄った

自分があなたに対してしてはいけない事

それをしてしまった事に気付いたらしい













警察:申し訳ないが……あなたさんに会うことは許されない




角名:え………?




侑:な,何で……!




警察:虐め,虐待の疑いがある以上,親族しか面会を許す事は出来ないんだ









- そんな____

それやと俺はあなたに謝れないやんか









警察:君達の話を聞いて状況は大体理解出来たよ




湊:………




警察:……まだ調査は続くからもう暫く協力してほしいのと




















『 あなたさんの今後は親族と警察で話し合う 』
























- なぁあなた

























もう二度と





















俺に向けて


























笑いかけてくれる事はないんやろか____?























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