侑 side
- 何で此奴はこんなに無理するんやろか
足が痛いなら痛いって言えばええのに
迷惑かけとおなくて無理して笑っとる
そんなん直ぐ気付くに決まっとるやろがアホ
あなた:………
- あなたは俺の背中に顔を埋めた
声を掛けても返ってこんから眠ってしもたんやろか
にしても此奴軽すぎんか?
ちゃんと飯食っとるんか?
角名ん家におるし食ってへんことはないか____
角名:!!!!侑!!!!あなた!!!!
- 集合場所にはもう全員が居て
あとは俺達二人だけだったらしい
集合場所に着くなり角名が血相を変えて来た
角名:あなたは?
侑:多分俺の背中で寝とる
- 雨に濡れて俺もあなたもびちょ濡れやった
角名はあなたの姿を見るなり
慌ててあなたを俺から下ろした
角名:……やっぱり……
侑:?
- 角名に下ろされて初めて俺はあなたの姿を見た
顔が____真っ赤やった
侑:あなた……!?
- 俺は慌ててあなたの額に手を当てた
背中におる時はお互い濡れて冷たかったから
全然気付かんかったけど
あなたの身体は____物凄く熱い
角名:昔から冷えると直ぐに熱を出したんだ
侑:え……?
- だから俺達が帰ってきた時
慌ててあなたの所に来たんか____
侑:すまん
角名:侑は悪くないでしょ?
- 『 あなたを運んでくれてありがとう 』
そう言って角名はあなたを抱き上げて
先生の元へ行ってしまった
治:ツム,お前も着替えんと風邪ひくで
侑:おん……
治:……?ツム?
- サムは俺に着替えを渡してくれた
やけど____
俺は角名と先生といるあなたから
何故か目が離せなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。