第60話

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2020/08/05 09:59






























- 侑くんはあたしの手を引いたまま

空き教室まで歩いてきた









侑:すまんな急に




あなた:う,ううん……!助けてくれてありがとう…!




侑:手首痛かったやろ?




あなた:え……?













- 先輩に掴まれていた手首は

少し赤くなっていた









侑:ほんまほっそいから少し強く握っただけで折れてまうんやないかって心配したわ




あなた:さ,流石に折れないよ……!




侑:わからんやろそないなこと









- 侑くんは心配そうに眉を下げながら

赤くなったあたしの手首を優しく撫でた










あなた:侑くんが助けてくれたから平気だよ




侑:え……?




あなた:だから本当にありがとう……!











- あたしは柔らかく微笑んでお礼を言った

侑くんは少し_____頬を赤らめていた













侑:____その笑顔を……守りたいんや




あなた:え……?何か言った……?




侑:なんも?











- 何か言ったように聞こえたけど

侑くんは" 何も言ってない "と笑っていた










侑:抜け出してきてしもたからどないする?




あなた:え?




侑:またクラスで絡まれても面倒やしこのまま俺と文化祭回るか?




あなた:え____?









- " 一緒に回ろう "

その言葉はすごく嬉しかったけど____











あなた:あ,あたしでいいの……?




侑:何でや?あなたがええから誘っとるんやけど?




あなた:……!












- 『 わざわざ回りとぉない奴誘わんわ 』

侑くんはそう笑った


















侑:せやからあなたさえよければ一緒に回ろうや




あなた:え………



















- 侑くんはそう言ってあたしに手を差し出した

ふと見上げた侑くんは

少し顔を赤らめながら優しく微笑んでいた

あたしがゆっくりとその手をとると































侑くんは優しくあたしの手を握ってくれた____









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