な、なんでこうなったんだ....!
野火丸と映画見に来ただけなのに
どうしてこうなるっ?!
事件が起きたのは丁度5分前、
それまで普通に映画を見ていると....
え、な、何...?
もしかしてイチャイチャしてる?
やめてくれ頼む
そういうことは家に帰ってからしてくれぇぇ!
私は恐る恐る野火丸の方を見た。
野火丸の表情は険しく、
後ろの二人に気づいているようだ。
私史上最高に気まずいよ
ここをどこだと思ってるんだまったく
チューした?!したよね絶対!
もう無理だ逃げ出したい....!
少し怒った様子で言う野火丸
流石にあの野火丸もお怒りだよっ!
もう早く出よう、うん、野火丸出よう?!
出るって言って?!
あれ...まさか気づいていない?
でも、結構聞こえる声だったし...
無視してるだけ?
色々と考えているうちに映画は終わっていて
結局、映画を楽しめなかった。
私達は映画館を出てから、近くの公園に寄った。
野火丸が渡してくれたのは温かいココア
近くの自販機で買ったらしい
「ありがと」とお礼をし、一口飲む。
後ろの声が気になって.... とか言えない!
野火丸がそう言った後
「僕もあんなふうに、勇気が出せたらいいのに」
と、言った気がした。
私がそう聞くと、
野火丸の頬は、徐々にほんのり赤くなる。
少し照れながら言う野火丸。
なんか可愛く思えてきた
「へぇ~」とニヤニヤしていると
野火丸に「その目やめてください」と言われた
「じ、じゃあ....」と野火丸が口を開く
なんか野火丸らしくない質問でビックリ
私の言葉に納得した様子。
野火丸の恋はこれから上手くいきそうだ
私が、帰ろうとして野火丸に背を向けると
「ちょっと待ってください」と呼び止められた
そう頬を赤らめて言う野火丸に、
私まで照れてしまいそうだ。
キラキラした目でそう聞かれては
「駄目だ」なんて言えるはずない。
私の言葉で表情が一気に明るくなる野火丸
その後、野火丸と別れ事務所に帰った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。