第17話

最終回 君のおかげで
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2018/07/22 14:50
その夜

ハルはあおいに電話をかけた

あおい)「森野?」

ハル)「あ、あおい君?
今日ね、あおい君のお母さんに会ったよ」

怒ると思ったが、、、

あおい)「あぁ...聞いたよ。母さんから。

ありがとう って、伝えろって...」

心なしか、あおいの声が鼻声に聞こえる

あおい君...泣いてる?

ハル)「お母さん、なんか言ってた?」

あおい)「あ.....ありがとうって...
そ、、それと、、、ごめんねって...」

[回想]

幸子)「あおいは頑張ってくれたのに、お母さんダメね....

大好きよ、あおい。これから頑張ってね...」


[現在]

あおい)「母さん...笑ってた...
俺、久々で、、母さんの笑顔見るの。」

ハル)「うん...」

あおい)「ありがとう...お前のおかげだ」

ハル)「うん.....」











あおい)「会いたい.......」











ハル)「っ!」



あおい)「...会いたい、、森野。」


その時、胸に広がった。

「好き」

という気持ちが


ハル)「うん....私もっ!会いたい!!
会いたいよ...あおい君...」

ハル)(あぁ、私、あおい君のこと、好きなんだ....)



果たせなかった約束。


今、言わなきゃ....


ハル)「6時...ロボット公園の時計台...っ!」


溢れる涙。

ハルとあおいの気持ちは重なった





[次の日]

浴衣を着ていたら遅れてしまったハル

ハル)「ヤバイヤバイ!!遅れるー!」

走ったが、浴衣で走りにくい

ハル)「もーーー!」





一方のあおいも...




あおい)「あーー!遅れるー!」

こっちは、ハルにプレゼントを選んでいて遅れた

あおい)「ヤバイヤバイ!!」





[公園]

ハル)「ハァハァハァハァ...」

あおい)「ハァハァハァハァ..」

同時に着いた

そして、お互いを見て..

あおい)「ハハハっ!!!森野ヒドイ格好!」

ぐちゃぐちゃになった浴衣だった

せっかくきれいにしたのに...

ハル)「ハハハっ!あおい君だって、汗びっしょり!」

あおいも、汗っかきだった

しばらく笑ってた二人


あおい)「行くか!」

ハル)「うん...」



1年前、二人で来れなかった夏祭り

屋台も回ったが、胸がドキドキして、痛くて、、あまり分からない、、

だけど、めちゃくちゃ楽しい....


あおい)「あ!花火見るとこ、特等席があるんだ!行こう!」

子供みたいに無邪気なあおい

ハルはまた、笑ってしまった



ハル)「わあ...ホントだ!よく見えそう..!」

あおい)「だろ!」

そこは、祭り会場の少し離れた場所だった

誰もいなくて、二人きり....

ハル)(やば...心臓いたい...)

あおい君に聞こえそうなほどドキドキした

あおい)「森野....これ..」

あるものを渡した
くるまえに買った、プレゼント。

ハル)「わぁ...!かわいい!」

桜のヘアピン。
名前にちなんで、桜にした

あおい)「あぁ、良かった、喜んでくれて」

ハル)「ありがとう!大事にするね!」







あおい)「な...なぁ、、





ハル....」


ハル)「え..名前.....!」


あおい)「ハルのおかげで、俺は変われた。

ハルのおかげで俺は自分が好きになった。

ハル、、好きです....付き合ってくれませんか.....?」

ハル)(耳....真赤だ....)


ハル)「フフフ...耳、赤いよ」

あおい)「う、うるせーよ!今言うか!ふつう....!」

耳を押さえながらますます赤くなっていく



ハル)「フフフ...ハハハ!」

あおい)「...ハハハ!」

つられて笑ってしまった





ずっと....

見たかったのは

君の、その笑顔だ...





大好き........



ハル)「はい....よろしくお願いします...」


あおい)「え.....お、おぉ!!」






花火が始まった


空が、あか、あお、きいろ、みどり、

色んな色で明るくなる



そのたびに見える、ハルの横顔


あおいは、ハルの頭に着けた、さっき自分があげたヘアピンにそっと触れた

びっくりしてこっちを向くハル



チュッと、ほっぺたに小さくキスして、

くちびるにキスした






















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