第9話

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2019/06/29 04:49
地元の友達と飲み会。


自分を考え事から 引っ張り出すように


酒をゴクリ ゴクリと


多めに飲んだ





飲み過ぎたかも。



皆んなとお別れして、


歩き慣れた道を歩き


実家へ戻る。



その道から、


真っ先に通って、


横断歩道を渡り


右へ曲って15分程度歩けば、


高校へたどり着く。



そう考えながら歩いてたら、


人は無意識にたどり着いちゃうね。



僕は じーっと


閉まっている高校の門を


見つめていた。


何も聞こえない空間と打って変わって


僕の頭の中は色んな声で


ごちゃごちゃだ。

棚沢
うるさい
後ろに振り向いたら


テレビを切るように


音が一気に消えた。



頭を抱えている片手を、


ゆっくりと下ろした。


棚沢
もう
棚沢
いい
もう聞きたくないんだ


待ちくたびれて、


ちょっと


飽き ちゃったかも。
思い出の声は


今の僕には 雑音にしか聞こえなくなった。






疲れてるのかな。
棚沢
疲れてるかも
その考え方を頭から  打ち消して、


否定した。





棚沢
ダメだ。
家へ戻ろ。








そう思い歩き出した途端


目の前に立ち止まってる


女子二人の中に、







見覚えのある後ろ姿が。

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