第2話

社畜さんといっしょ。
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2022/04/20 09:03
班杯side
あなた
あと何徹すれば開放されるのだろう。
エナドリにさしたストローを噛みながら、タイピングをする。
伸びた前髪もぼさぼさの髪も気にする余裕なんてない。
あなた
あ゛~~~~~!?上武まだ企画通ってないやつの予約ページ作んなって何度言ったらわかんだよ!!!
まだ企画が通っていない、小鳥さんの手袋の予約ページができていて、思わずデスクを両手で叩く。
あなた
ごめん、木角。ちょっと上武のとこ行ってくる。
きかく
きかく
絶対途中で煙草吸うんじゃねぇぞ。
あなた
保証しない。
扉を閉めて、デジタル企画部の部屋に向かった。
あなた
おい上武ぅ゛っ!!!!てめぇ何回も言わせんなよあ゛ぁ!?決まってないやつページ作んなって!!メガネ叩き割んぞ!
うえぶ
眼鏡は昨日あなたが叩き割ったでしょう。今日はコンタクトだ。
あなた
じゃあ目ん玉ごと潰してやろうかッッ
上武の胸ぐらを掴み、背伸びをして二本指を目に近づける。
うえぶ
でも予約入ってきてる。ほらまた。
上武のパソコンをみると、ぴこんぴこんと予約が入ったという通知が来ていた。
あなた
なんっっっでだよ!意味分かんねぇよ!!あ〜もう無理矢理にでも企画通さなきゃじゃん~…数合わせでてきとうに深夜テンションで提出して即却下された企画なのに……あ゛〜〜〜〜!!!!
上武の椅子を蹴りながら嘆く。
あなた
今度私ん家にゼリーと酒箱で送れよ。
うえぶ
嫌だ。
あなた
拒否権なんかねぇよ。
もう一度椅子を蹴飛ばしてからデジタル企画部の部屋を出た。
あなた
あ゛〜〜まじかよまた仕事増えたしいつ帰れんだよ……
木角の言葉は無視して、喫煙所に向かう。
うらみち
うらみち
あ、あなたさん。お疲れ様です。……大丈夫ですか?
下を向いて廊下の壁沿いを歩いていると、誰かに声を掛けられる。
あなた
ん?……あ、裏道さん!!お疲れ様です!ぜーんぜん大丈夫ですよ。この通り、ぴんぴんしてます!!
顔を上げて、にっこり笑う。
うらみち
うらみち
…全然この通りって感じじゃないですけど、、何徹目ですか?
あなた
二徹ですけど、今日も残業なんで三徹目ですね〜
うらみち
うらみち
、、ちゃんと寝てくださいね。体壊しますよ。
あなた
ご心配かけてしまいました?すいません〜、ちゃんと1日1時間程度は寝てますのでご心配なく!それより裏道さん!一服どうです?
うらみち
うらみち
行きます。
あなた
じゃあ行きましょう!!
裏道さんと煙草を吸ったら、重い気持ちが少しは軽くなった気がした。

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