第2話

君のことで…
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2018/11/18 01:52
あの日以来、朝が来ると自然に足は、あの子のいるカフェへと向いていた。
飲み物に貼られている付箋には動画の感想、閉店間際には他愛もない会話。どれも大したことない事なのに、いつしか1日の楽しみとなっていた。

俺はただあの子の姿を見るだけのために、少しの他愛もない話をするだけのために、毎日のようにカフェへと通った。

すると、ある日のことだった、あの子がいなかったのは。

カンタ
あの、いつもいる女の子って…
カフェの店員
体調不良らしいです、最近毎日来ていたのでね…
カンタ
そうだったんですね、、。
~あなたside~
翔太
最近あなたふわふわしてるね
あなた

え?そう?

翔太
久しぶりにさ遊びに行こうよ
翔太は私のことをいつも気にかけてくれる、自慢の彼氏だった。今は何故だか彼に何を言われても感情が何一つ湧かなくなった。
あなた

あ、ごめんバイトなの

翔太
は?また?入れすぎだろ
あなた

全然!!楽しいんだよね、毎日…

翔太
でもさ、1日くらいよくね?
あなた

だめなの!!!

翔太
…え?
あなた

あ、ごめん、先に帰る

翔太
あなた、体調悪いとか感じたら休めよ、それと今度さバイト先のカフェ行かせてよ!
あなた

あー、ありがとう。でもバイト先には来ないで

翔太
え…
スタスタと歩き私は帰った。
あなた

ただいま

家へ着くと少し体がだるく感じた。明らかにいつもと違う感覚で…。
お母さん
今日もバイトなの?
あなた

うん

お母さん
今日は、休みもらったら?顔色良くないし
いつも私のする事に母は口出しをする事は無かった。けれど、母の目には相当な顔色に見えているらしい、バイトへ行くのを止めて来た。
この時、この瞬間に、カンタさんは何をしているのか、最初に会った時の感動とは全く違う味わった事の無い変な感情が湧き上がって来た。
お互いに何も知らない関係なのに気になって気になって仕方ない…。
ベッドへ入っても目をつぶっても浮かぶのは彼の顔だった。今頃、カフェにいるのかな…。

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