第41話

切り替え
837
2019/01/20 05:37
カンタ
なんでなんだろう、俺どこで間違えたんだろう
トミー
別れるなんて言わなきゃ良かったんだろ
カンタ
でも、あなたちゃんのための事だし
トミー
違う、自分自身のために別れたんだろ?じゃなきゃおかしい
カンタ
え?
トミー
あなたの事を思ってるのなら別れてなかったと思う。
カンタ
ちゃんと、俺なりにあなたちゃんの事を思って言ったよ、…
トミー
実はさ、あなたに言われてたんだよ不安だって事を…。俺もカンタに伝えなきゃと思ったからあの時はあなたの名前を出さずに伝えた。
カンタ
…え?
トミー
まさか、あなたも別れるとは思ってなかったと思うぞ
カンタ
いや、でも
トミー
じゃなきゃ、最初から付き合いたいなんて気持ち出さないだろ
カンタ
……
俺は黙ることしか出来なかった。
トミー
沢山葛藤して、いろんな覚悟の上で答えを出して、お前と付き合うってしたのに、その気持ちをお前は踏み潰したんだぞ
カンタ
そんなつもりじゃ、
トミー
結局お前はあなたのためにって思ってても、自分自身のために行動しただけなんだよ
ぐさっと突き刺さる言葉に涙が溢れて来そうになった。
トミー
俺の憶測でじゃなくてあなたの本当の気持ち聞きたくないか?まさか、ここまで話しても何も思わないような人間じゃないだろ?
カンタ
俺さ、明日、カフェ行くよ…
トミー
おおう、切り替えの早さすげぇな、
カンタ
あはは、トミーごめん、ありがとう
トミー
あー、わかったわかったきもいから、はやく部屋戻れ
カンタ
うん…
俺は、部屋へと急いで戻り明日の予定の調節をした。


自分でも思うが、俺は相当単純な男かもしれない。






その頃リビングでは
まんず
あ、の、富永さん
トミー
おお、どうした?
まんず
話聞きますよ俺で良かったら
トミー
っはは、大丈夫大丈夫、ありがとな
まんず
いや、大丈夫な顔してません
トミー
あー、俺の話聞きながら寝んなよ?笑
まんず
もちろんです
初めて見る光景だった。

富永さんが1人の女性の事を沢山語る姿が…。

話終わると切なげな顔をしてぎゅっとネックレスを握りしめて俺に微笑んできた。
トミー
なんか、しんみりすんな笑
まんず
はは、ですね
寂しげな口元が無理やり笑う

それがとても辛かった。

誰も責められない、誰も悪くない状況だから、もっともっと辛くなっていった。
トミー
いい子守唄になっただろ?寝るぞ
まんず
はい



1番気持ちを押し殺しているのは富永さんなんだろう…。

話を聞いて俺は、そう思った。

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