第14話

富永兄貴
1,143
2018/11/28 14:07
色んな感情を抱きながら結局来てしまった。
彼女の元へ…。
あなた

あ、こんにちは

微笑み小さく手を振る姿はとても愛らしかった。けれど、昨日の2人の言葉がよぎる。
カンタ
…こんにちは
軽く頭を下げ、いつもと同じ物を受け取りいつもと同じ席へ着いた。
翔太
おい
また、この声が間近で聞くことは予想していた。
カンタ
どうしましたか?
翔太
言ったよな?あなたを取ったら俺になにも残らないって
カンタ
はい
翔太
お前が俺の人生壊したも同然だかんな
カンタ
あの、一つ聞いてもいいですか?
翔太
っち、、んだよ
カンタ
あなたちゃんと付き合う事に少しでも抵抗とかありましたか?
翔太
は?何言ってんの?
カンタ
ほら、その他の昔の男の元へ戻ったりするとか、騙されてるんじゃ…とか
翔太
そりゃあ、あなたはモテるから不安はあったけど好きだったから、どうしようもなかったんだよ
カンタ
やっぱり、そう言うもんですよね…
翔太
それに、同じ高校生だしクラスも同じだから、そこまでは
カンタ
へ!?高校生!?
翔太
そうだよ、知らなかったのかよ
カンタ
あ、えっ大学生だと思ってた…
翔太
やっば、笑
カンタ
そうだったのか…
翔太
なんか、さすがって感じ、
カンタ
え、なにが?
翔太
水溜りボンドだなって思って、動画の中でもだけどやっぱリアルでも面白いんすね笑笑
カンタ
ぁあ、ありがとう
翔太
まぁ、それはともかくあなたと別れるつもりはないんで
あなた

ちょ、翔太何してんの

翔太
おお、あなた!
あなた

カンタさんこんな人の相手しなくていいですから

カンタ
あ、いいんだ聞きたい事あったし俺今日はもう帰ることにするね
あなた

え、ど、どうしてですか?

カンタ
や、特に理由はないけど
あなた

そうですか…

カンタ
うん
家へ帰ると、決まってトミーは聞いて来る。
トミー
進展は?
カンタ
ないけど、凄く大人っぽくて落ち着きがあったから大学生だと思ってたら高校生だったらしくて
トミー
ええ!?はっはっはっ、お前さ高校生に手出してたの?最高かよ、っはっは
カンタ
いや、笑い事じゃなくて、もはや高校生相手とか犯罪者じゃん
トミー
いや、まぁ一般的にはな
カンタ
うん
トミー
それで好きって気持ちは薄れたの?
カンタ
んー、なんかわかんなくなってさ、ほら昨日のやつで
トミー
そっか、でもお前がさこんなに熱くなる事って無かったしょ?
カンタ
そう、かな
トミー
もし、熱が冷めてるのならさこうして悩む事もないわけでしょ、てことはさそれだけ本気になったって事でしょう?
カンタ
うん、そうだよね…。
トミー
まぁ、ゆっくりお前のペースであなたちゃんと向き合ってそれから考えればいいんじゃないの?俺にはわからんけど
カンタ
うん、ありがとう少し考えてみることにするわ
トミー
おう、おやすみ
カンタ
おやすみ
俺がこんなに外に出るようになったのもあなたちゃんのおかげだし皆んなとコミュニケーション取る事が驚くほど増えたのもあなたちゃんのおかげ、どうしたらいいのか…悩んでばっかな俺に多分あなたちゃんはすぐに飽きてしまうかもしれない、高校生だし…。

それでも、学校で好きな人とか、そりゃあ同年代の子に出来ると思うし、おっさんの相手してる暇なんて無いだろうし、俺自身動画とかで忙しくて付き合うとしても寂しくさせちゃうかもしれないし、あ、でもそもそも付き合うことになったとしても他に男作って、俺が…いやいやいや、まだあなたちゃんの事何も知らないくせにこんな妄想するのは良くない良くない…けど、どうしても考えちゃうんだ、だって…好きだから。

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