第37話

36話 朧魔の話
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2023/01/10 12:04
朧魔
朧魔
スパンッ
 顔を合わせた瞬間、

 彼女は直ぐに私の目の前に来て、

 右の頬を強めに叩いた
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
いっ!!!
 思わず痛みで声が出る。

 
朧魔
朧魔
ばーか
 子供地味だ挑発の様に

 口角を上げてそれだけ言った
朧魔
朧魔
(正直この小説では
もう私出ないと思ってた……)
朧魔
朧魔
なんで?
 え?マジで何が?

 私色々しすぎてますが?
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
何が?
朧魔
朧魔
貴方、作ってたでしょ?
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
嗚呼、あの薬ね
 確かに、“あの花”を使った

 俗に言う、《 蘇りの妙薬 》

 を作るには作った。だけど……
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
あれは……私が飲むべきじゃないよ
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
(引き出しの中に、
遺書と共に入れてある)
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
でも、それだけじゃないでしょ?
朧魔
朧魔
そうよ、私は貴方に
生きていて欲しかった。
朧魔
朧魔
良い人と結ばれて、
寿命で亡くなって欲しかった
朧魔
朧魔
あなたにはその幸せを
享受する権利があった
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
そんな事ないよ
 そうだ。私は、家族を守るだけでは無い。

 東雲の1人として、いつか

 鬼殺隊や産屋敷一族を抹殺する任に

 着いていたに違いないのだ
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
ねぇ、貴方は地獄に行くの?
 唐突に気になったのだ。

 ほかの鬼と違い、禰豆子ちゃんと同様、

 人を襲ったり、傷つける事があっても

 彼女が地獄に落ちる責任は無い
朧魔
朧魔
私は、
『 貴方が寿命で死んだら 』
地獄に行く事になってた。
貴方の代わりに
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
え?
朧魔
朧魔
貴方は自覚してるでしょ?
だから聴いたんでしょ?
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
……
 そう、私は地獄に落ちる。

 もう、亡くなった御館様達の所へは

 行けないのだ。

 嘘をついた謝罪も出来ない。
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
あのクソ鬼共と一緒に
地獄に居るのは嫌だけどね
朧魔
朧魔
でも、私は貴方のおかげで天国に行ける
朧魔
朧魔
だから、貴方の代わりに謝っておくわ
御館様……だっけ?
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
うん、お願い
朧魔
朧魔
……本当にごめんなさい
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
いえ、元々私が強かったら
貴方は苦しまずに済んだのに
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
本当に……
朧魔
朧魔
ギュ
 朧魔は私にそっと抱きついた。

 私も彼女を抱きしめ返す

 
朧魔
朧魔
嗚呼、あたたかい
朧魔
朧魔
どうか、また来世で
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
うん
 すると、また

 私の周りに青い炎が広がった。
朧魔
朧魔
約束よ
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
何百年かかっても
朧魔
朧魔
また来世で
猫峰 檸檬
猫峰 檸檬
うん、必ず
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