次の日も、そのまた次の日も
俺はあなたちゃんに会っていた。
これといって意味は無いけどなんか、
一緒に話しててすごく楽しい。
佐藤 「でね、お兄ちゃんがさ?」
こんなやってプライベートの話を
したりするまでの仲になった。
あなたちゃんのお兄ちゃんって
どことなく勝利に似てるんだよな〜
なんて思っていたら
佐藤 「そう言えば私ね、景色の写真撮るの好きなんだ」
『え、見せて?』
佐藤 「いいよ!えっとね…」
なんて言いながら彼女の
スマホのフォルダ内を一緒に見ていると
勝利とのツーショットがあった。
俺は思わず
『えっ…勝利?』
佐藤 「え?…っあ!!」
『何で?』
佐藤 「あ、いや…それは」
『勝利のファン…とか?』
佐藤 「いや…違くて」
なんて話していたらあなたの携帯が鳴った。
佐藤 「あ…出てもいい?」
『あーうん、いいよ』
しばらくあなたが電話をしていると
こっちに一旦戻ってきて
佐藤 「健人くん…お兄ちゃんが代われって」
『え?』
佐藤 「まぁいいから」
俺は渋々電話に出ることにした。
『…もしもし?』
「君がうちの妹といつも一緒にいる人?」
聞いたことある声…
『…勝利?』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!