第86話

夜のビーチ
7,162
2018/03/15 14:48





ーーーーーー『芽衣が好きだ』ーーーーーー








頭の中で何度もリピートされる。








嘘じゃない。





これは、嘘じゃない。

















湊『………………なんか反応しろよ。笑』









私「あ、……ごめん…笑」









言葉を発することさえ忘れてしまっていた。








好きな人に、好きだと言われることが



こんなにも嬉しいことなんだって、



初めて知った。








真っ直ぐ見つめてくる湊の顔を見るのが、




なんだか恥ずかしい。











湊『…………もう日が沈むな。』









私たちを赤く照らしていた夕日が


どんどん小さく、見えなくなっていく。








私、きっとこの夕日をずっと忘れないと思う。










湊『…………そろそろ戻るか。』







私「……え、あ、うん。。」











私も、湊に伝えたい。








伝えたい、







なのに、緊張して言葉にできない。














ーーーーーーーーーー











舞『えええええ!?!?湊に告られたぁ!?』





私「シーーーーーーッ!!!」







ホテルに戻り、舞に今日のことを話した。



今日のホテルは舞と2人部屋。







結局、湊に何も伝えられずに


ホテルに戻ってきてしまった。。




何をしているんだ、私は…











舞『そっかそっかー!ついに湊も言ったかー!』


私「え!?気付いてたの!?」



舞『当たり前じゃん!いつになったら、2人がくっつくのかなーって思ってた!笑』








そういう目で見てたのか…笑








私「でもまだ返事出来てなくて…」



舞『え!?なんで!?』



私「……緊張しちゃって…」



舞『バカじゃないの!(笑) 湊も一応モテるんだから
モタモタしてたら他の子に取られちゃうよ!』



私「そうなんだけどさ〜」







湊がモテるということは


もう十分、分かってる。



それに、



湊が他の誰かの彼氏になるのなんて


絶対に見たくない。









舞『よし、分かった!私に任せて!』







そう言って舞はスマホをいじりだした。



何をする気なんだろうか…









舞『あ、返事来た!OKだって!芽衣、今すぐホテルの前のビーチに行ってきな!』



私「え?なに?どういうこと?」



舞『とりあえず、湊呼び出しといたから!』



私「え!?何それ!ムリムリムリ!」







そんな、、


絶対告白の返事だってバレてんじゃん…




恥ずかしいよ、そんなの…







舞『光と2人でいるはずだから!』



私「え?光っちもいるの??」



舞『大丈夫、芽衣と会ったら光は私と合流することにしたから!』







そんな、、



やばいまた緊張してきた…







舞『芽衣、人生1度きりなんだからね!』








人生1度きり。








私「…………行ってくる。」



舞『よし!行ってらっしゃい!』










舞に送り出されてビーチへ向かうことに。






もう夜なので、先生に見つからないように



忍び足でビーチへ。










夜の海は暗い。



夜は外出禁止なのに、



ところどころに同じ高校の人達がいる。



先生、チェック甘すぎだよ…













光『芽衣ちゃーん!』




私「お、おおぉ!!」








緊張のあまり、勇ましい返事をしてしまった…









光『今、湊あそこにいるから!』







そう言って指さした方を見ると、

少し離れたところで椅子に寝転がってる湊の姿が。








光『芽衣ちゃん、頑張れ!』



私「ありがと、光っち!」








光っちはホテルへ戻って行ってしまった。









ーーードキ、ドキ、








1歩ずつ、湊に近付く。










湊『……光〜、そろそろ部屋戻るか〜』








どうやら湊は目を瞑っているから、


私を光っちと勘違いしているみたい…









私「…………もうちょっと、居てよ。」










湊『…………え!?』









しばしの間のあと、急いで湊が起き上がった









湊『え!?何してんの、芽衣』








よほど意外だったのか、


相当驚いている湊。













私「………光っちには先に部屋戻っててもらったよ」







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