第13話

よく分かんないけど
7,809
2018/01/27 06:02




あれ?





今日、図書室でも似たようなことがあった






デジャブだろうか、、










湊『あんた、傘持ってないの?』





私「……うん。」





湊『…買わないの?』





私「……要らない。」











傘で自分を雨から守ってしまったら、


自分の醜い部分が洗い流されない気がして。



傘を買う気分にもなれない。



雨で流れるわけもないことぐらい、分かってるのに。














湊『…………ん。』











急に自分に降り続いていた雨が止んだ














湊『……これ、あげる』







そう言って成瀬君は自分の傘を私に差し出してきた







私「え、いいよ!!私は大丈夫だから!!」





湊『……いいから』







そう言って成瀬君は無理やり私に傘を渡した








私「……今はそんな気分じゃ…」








今は、雨に濡れたい気分だから。。









湊『…………』





私「……本当に大丈夫だから。だからこの傘は!」






湊『よく分かんないけど!』









私の言葉をかき消すように

成瀬君が言葉を被せてきた











湊『…明日もそれ、着るんだろ?』






私「……え?」






湊『え?って、、制服。明日も学校じゃん』













え、制服の心配!?












私「いや、制服は別に…」




湊『ちゃんと乾かさないと、明日着れないじゃん』





私「……学校休む。」






湊『…あんた、いじめられてんの?』







私「…え!?いじめ!?られてないけど!!」







湊『…ふーん』






さっきから予想外なことを言われ続けて


振り回されてる気がするのは


気のせいだろうか









湊『まぁ、使っても使わなくてもどっちでも良いよ。
その傘はもうあんたにあげた物だから』





私「え、でもそれじゃ、成瀬君が…」





湊『俺んちすぐそこだから別に要らない』





私「……ほんとに…?」






湊『……ん。』





私「……ありがとう。。」







湊『……ん。じゃ、気をつけて』

















そう言って成瀬君は走り去っていった











いまいち掴めない人だなぁ…








結局、傘借りちゃったし…









無愛想だし、ちょっと怖いけど、、









成瀬君って、、優しいんだね












ありがとう、成瀬君。










だけど、、、















まだ家には帰りたくないの。













ーーーーーーザーー、、、






雨、止まないなぁ。




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