第15話

壊しに行くんだ
7,715
2018/01/27 13:02




ーーーーーー放課後







舞『はー、満足〜♡今日はありがとうねー!!
おかげで欲しかった物買えたよー ♪ 』






舞は何か聞いてくるわけでもなく


特に詮索するわけでもなく


本当にただ普通に買い物をしていた







私「………舞、あのね、、」






舞に相談しよう、、






舞『……ちょっと歩きすぎて疲れちゃったから、
どっかファミレス入って休もっかー!』




私「え!?あ、うん…」









ーーーーーーいらっしゃいませ〜







私たちは近くのファミレスに入り、

デザートと飲み物を注文した。





デザートが運ばれてくるまで、

ほんとに他愛もない会話をしていた。





成瀬君が意外と優しいこと、


笑った顔が意外と可愛いということ。





舞は成瀬君の笑顔なんて見たことない!と驚いていた






デザートを食べ終え、落ち着いた頃に


舞が真剣な顔して話し出した







舞『芽衣、何があったかは分からないけど、
話したくないなら、私は聞かないから。』







そう言って舞はニッコリ笑った。







私「舞、、、まい〜〜〜〜〜〜〜(泣)」








舞の優しさに涙が出た








私「……実はね、、」





それから昨日あった出来事、全て舞に話した。







舞『……そっかぁ、、先輩に彼女が、、』




私「……うん。」




舞『うーーーん。。』






舞は何かを考え込んでいるようだった。



しかし、言葉を飲み込んだように



顔を上げた







舞『でもさ、芽衣はハル君の幼馴染ってだけで、
何もしてないよね?』




私「……うぅ。」





舞が言ったことは、図星だ。




幼馴染という立ち位置を使って


ハル君の1番傍にいる気持ちになっていた。




だけどそれは、




ただの幼馴染だからこそ、ハル君の傍にいれたわけで。





ハル君が私をただの幼馴染としてしか見てくれない




と思っていたのは




私がそのポジションから動こうとしなかったから。





幼馴染、というポジションがなくなってしまったら、




ハル君の傍にいることが出来なくなる。





だからフラれることが怖くて、





私は【ただの幼馴染】というポジションに





満足していたんだ







私「……舞の言う通りだよ。」





舞『…先輩に、気持ち伝えないの?』





私「伝えても…ハル君にはもう彼女いるもん…」




舞『…だから何?芽衣はまた先輩から逃げるの?』




私「でも…今までの関係が崩れたら、、、」





舞『じゃあ先輩と芽衣は、それで関係が崩れるような幼馴染なの?』









私とハル君は、、、





誰よりも強い絆がある幼馴染。










私「…ううん。そんなんじゃ崩れない」






舞『なら、芽衣はどうする?』







私は、、、




このままハル君への気持ちを隠して




今まで通り、、、









今まで通り…?








それで良いの?





それじゃ、何も変わらない






ちゃんと言葉にして伝えないと、






伝わらない






変わらない






変えるんだ






ううん、





変えたいんだ






【ただの幼馴染】の関係を










私「舞、、わたし、、!!」








舞『ふふっ(笑)、明日いっぱい慰めてあげる♡
行っておいで、芽衣。』





私「…ありがとう!!」









あ、でも飲食代!!


と思ったけど、


『今日は買い物に付き合ってくれたお礼だよ。』


と言って、舞は送り出してくれた。








ありがとう、舞。









私は走り出した。






私、こんなに走って、、






今からフラれに行くんだ。







はは(笑)







バカみたいだなー。笑






でも、、






【ただの幼馴染】を壊しに行くんだ



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