湊『………………貸し1だからな。』
私「え!?貸し!?」
湊『いや、1じゃ足りないか。やっぱ貸し10だな』
私「10!?多くない!?」
湊『…………心配させたバツ。』
私「本当にごめんってばー!!」
湊『……ダメ、許さない。』
私「許して?(上目遣い)」
湊『…………やだ。』
私「ケチー!!」
湊『……じゃあもっと可愛く言ってみ?』
私「……え、、か、可愛く…?」
湊『芽衣には無理かー。笑』
私「む、無理じゃないもん!」
いきなり湊が変なこと言うから、
シドロモドロしてしまった…
湊『冗談だよ、ばーか。笑』
ほら、行くぞ。
と言い、湊がまた歩き出す。
私だって、、
私「……み、湊!!」
湊の手を掴み、振り向かせる。
湊、驚いてる…
やばい、
恥ずかしくて泣きそう。
私「……………ごめんね?」
湊が目をまん丸にして、私を見下ろす。
私「…………ど、どうでしょう…?」
ものすごく恥ずかしかったんだけど…
湊『……芽衣には10年早かったかなー』
私「ちょ、ちょっと!!頑張ったのに!」
湊『ははっ(笑)、ばーか。』
湊がやっと笑った。
ちょっとだけ、頬が赤らんだ気がしたのは
気のせいかな。
日焼けのせい、かな。
さっきまで湊はスタスタと前を歩いていたけれど、
今は私の隣で、私のペースに合わせて歩いてくれる。
後ろ姿を見て歩くのと、並んで歩いて顔が見えるのとでは、こんなにも違うんだなぁ。
ありがとう、
やっぱり湊は優しいね。
湊『きっと焼きそばカピカピになってんだろうな〜』
私「…………たしかに。。ほんとごめん〜(泣)」
湊『あーあ、焼きそば可哀想だな〜』
私「……ちゃんと味わって食べる。泣」
私、気付いちゃったんだ。
正確に言うと、とっくに気付いてた。
湊『…………ははっ(笑)、芽衣のばーか。笑』
やっぱり私は、、
湊が好き。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。