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第11話

宿敵との邂逅
⚠️グロテスクな表現、血の表現等があります。苦手な方はお気を付け下さい。アニメでは出てきていない鬼の登場がございます。ネタバレされたくない方は読むのをお控えください。



先程、藤の家紋の家から出立した所だったのだが、飛黒がバサバサと焦った様子で飛んできた。
鎹烏
カァァー!緊急!緊急!スグ二北西ノ森へ向カエ!
獏良 遼
緊急!?わ、分かった!案内してくれ
鎹烏
付イテ来イ!付イテ来イ!
その場で深く息を吸い込み、呼吸を更に強化して早く飛ぶ飛黒の後ろを追う。

そうすると、思ったより早く森の中へと入った。鬱蒼と茂っている木々を掻き分けながら、必死に目の前の飛黒を見失わぬよう追い掛ける。



そして、無我夢中で突っ走っていたらばっと開けた場所に飛び出す。

視界が狭まっていたのが一気に開け、思わず前に出てた足を地に擦り付けて自身の前のめりの姿勢を落ち着ける。
獏良 遼
っ…!隊士が…
そこには十数人の鬼殺隊士の惨状な死体が無造作に転がっていた。それも全員殴り殺されたような跡がある。

一見でもう死んでいると分かる出血量。そして中には骨が飛び出している者や、明らかに内臓が潰れている者もいる。人である者の気配が全くしなかった。あるのは鉄臭い血の匂いと、人体から流れ出す見慣れた紅。

早く弔ってやりたいが、それよりもこいつらを殺した鬼を早く殺すのが先だ。これ以上の犠牲を生む訳にはいかない。

それに、この大量の隊士の死となると鬼の強さも比例してくる。柱が駆り出されていてもおかしくないこの死亡状況。俺が出来るのはその間の時間稼ぎ程かもしれない。
猗窩座
やっと来たか、裏切り者の息子
木々に囲まれた森の中のちょっとした開けた場所の周りから声が聞こえてくる。その声の位置を特定すると、そこに瞬時に刀を抜いて向き直り声を発する。
獏良 遼
っ、誰だっ!
猗窩座
俺は猗窩座だ。覚えていないか?あの小童はもう死んだかと思ったのに生きているとはな
すると、その木の上から降りてきて態々もう一度声を掛けてくる。…そして俺はその姿と声に覚えがあった。
獏良 遼
…お前は、まさか…!
あの紅梅色の短髪、顔から体への藍色の線状の文様。ひび割れたような目の色と刻まれた数字。
あれは、俺達の家族を崩壊させた上弦の鬼。あの日、父と母が俺を身を呈して守り殺された時の鬼。
猗窩座
さぁ、俺は小細工が嫌いだから単刀直入にいこう。
貴様、完全に鬼になる気はないか?
獏良 遼
は?今更何を言う…俺は!
その挑発的な口調に思わず額に青筋が浮かぶ。そして、俺の言葉を遮るように又もや鬼になれと執拗に勧誘してくる。
猗窩座
過去など無関係だ。俺はお前の強さを気に入った。そして、あの方もだ。
獏良 遼
っ!!
あの方、つまり鬼舞辻無惨。その名を上げぬ名に自然と背筋に冷や汗が伝う。
猗窩座
まさかあの半端者が生きて、そしてここまで強くなっているとはな…!正直俺も驚いた。
獏良 遼
………ない
猗窩座
なんだ
獏良 遼
腹立たしい事この上無い!誰が両親を殺した奴らの仲間になんかなるものか…!
刀の柄を握り直す。いつもなら、もう壊れるのではないかと思う程に。
猗窩座
…俺の勧誘を断る意味を理解して尚、何故そんな事をする
呆れたような声色に更に苛立つ。…駄目だ、冷静さを欠いてはいけない。小芭内さんにそう何度も執拗く言われただろう。

それを想起し、ふぅと深く深呼吸して鋭く睨み付ける。
獏良 遼
俺はもう、小童じゃない。お前らの力とお前らを殺せる力を持ってる…!それに、両親の決意を無下にする訳ねぇだろうが!
猗窩座
そうか。なら…    羅針 術式展開
獏良 遼
魄の呼吸  博魂 迷楼斬はくこん めいろうざん
猗窩座がその場で雪の結晶のような陣を出現させると同時に、俺もその場で片手で刀を持ち目の前の空気を斬ってそのまま下がる。

すると、それは前方への斬撃となり目の前の猗窩座へと真っ直ぐに向かっていく。それはまるで桜吹雪のようだった。

あいつは確か、肉弾戦を好むはず。近距離は圧倒的に不利だ。親父はそれを知らずに翻弄され殺されていった。

過去を脳裏に思い浮かべ、下唇を噛みながら後方へと下がる。


だが、勿論猗窩座がそんなのでへばる訳も無く無常にも無傷で此方に突進して来る。
猗窩座
どうした…早く本気を出せ!それとも何か。周りの雑草を気に止めてでもいるのか?
獏良 遼
お前が潰した意思と覚悟を雑草なんて呼ぶんじゃねえ!!
魄の呼吸 怪魂 冥々一光!かいこん めいめいいっこう
隊士の死体を踏み付けながら迫って来る猗窩座に怒号を飛ばしながら、物凄い速度で目の前に太刀筋を描く。すると、それは刀身に反射した月光からなる光芒を描きながら、斬撃と化し猗窩座へ向かっていく。これはかなりの速度を出さないと出来ないから、逆に言うと消耗しやすい。
猗窩座
破壊殺  空式
だが、猗窩座の虚空へと押し出された拳の空圧で光芒は疎か、俺までも吹っ飛ばされる。

空圧が届くまで秒でも時間があればいいのだが、その時間がほぼ零に等しい為に「今の状態の俺」じゃ、回避があまりに困難だ。

木を何本も薙ぎ倒しやっと止まった己の体を即座に呼吸を深くして起き上がらせ、猗窩座の前へと迫り次の型を繰り出す。
獏良 遼
(足よ止まるな…攻撃を止めるな!奴の意識を此方に逸らしていればきっと柱の誰かが来てくれるはず…!それまで俺はこの状態で…)
猗窩座
手加減など俺にするな!もっと全力でぶつけて来い。お前にはその力があるだろう?
獏良 遼
今の俺の全力で行ってらぁあ!
魄の呼吸 乱魂 死蛾棘らんこん しがおどろ
しのぶに負け続けて学んだ俺の我流唯一の乱打の突き技。この型は近距離から相手を突き放すのに適している。
猗窩座
だったら、真のお前を引き摺り出してやる…!
破壊殺 乱式
それも、俺の突きの数よりも多く上回る乱舞技が幾度と無く体を掠り血を出し、脇腹が軽く穿たれる。

その衝撃に耐えられず、また身が空中に投げられる。そのまま、地面に落ちひれ伏す。

立て…立てよ俺…!少しでも奴をこの場に留めろ!幸い、奴の意識は俺にしか向いていないのだから、俺が引き付けれればあるいは…!

もう身体のそこかしこが痛い状態、恐らく飛黒が柱を呼ぶか、御館様が向かわせてくれているはず。それまで時間を稼げ!
でも、
あの威力の技を受け止めきるには今の俺じゃ限度がある…


ダメだ使うな、柱が来るかもしれないんだぞ!


でも彼奴をここに留めておかなければまた次の犠牲者が出るかも…


その為に今のこの状態で食い止めろ!


でも、今ここで俺が折れてしまったら意味が無い…


…っ、それは…


使うしかねぇんだよ、今ここで全力で彼奴の首を叩き斬る!杏寿郎さんにも教わっただろ、最後まで諦めるなって!

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サク
どうも皆さん、サクです
サク
随分と中途半端な所でぶった切ったな〜と思った方もいたかと思いますが…ここで切らなきゃ文字数半端じゃないことになるし、お楽しみというものも少し減ってしまうので、ここで一話分にさせて頂きます。
恐らくこの後の展開は勘づいている人も居るかと思いますが、少々戯れにお付き合い下さい
サク
では、今回はこの辺で
バイバイ〜