赤葦にどうお礼しようかな。
何回も助けてもらった。
さっきだって…今だって。
コノハの横を通り過ぎる。
ねぇ、引き止めてよ…コノハ………、
今こうやって赤葦が普通に接してくれてるおかげで、コノハの横を通り過ぎることが出来てる。
何回も何回も助けられてる。
なら私は???赤葦を助けたことある?
ないよ。
本当に……なんてお礼しようかな。
私はどうしたらいいのかな。
~木葉side~
くっそ……さっきの2人気になりすぎて。
この1年が本気なのも分かってる。
分かりきってる……けど…俺はこいつを好きじゃない。
もちろん後輩としては好きだ。けど…そ~いうめんでは違う。
俺が1年の時好きだった子にも今日会った。
前よりもクソ可愛くなってた。
けど……好きかって聞かれたらなんか……ちげぇ。
分かんねぇ……。
キバ『え~、コノハは馬鹿ですか~?wwほらほら早くしなよ~ww』
キバ『ねぇwwほんとにバカ?wwアホすぎて涙出てきたんだけどww』
キバ『あ~。あのさぁそれ貸して~』
キバ『うわ、やっべ。これやらかした……ま、お前のせいにすればいっか!!』
キバ『コイツと一緒にしないで??私が可哀想~♡w』
「好きってなんだ」と言葉にした瞬間、頭を過ったのはアイツだった。
途端、この子は離れて、慌て始めた。
なんで……だろうな。
いや、分かってる。
あなたの下の名前が、赤葦の隣に並んでたからだ。
あの時と同じ感覚だ。空き教室で赤葦とあなたの下の名前が2人で……話してた時の、あの感覚と。
前は曖昧な気持ちで攻めたりしたくないとか言ってたけど
そんなの俺がビビってただけだ。分かってる。
赤葦の方がきっと……。
けど、
あなたの下の名前が赤葦の隣になんのは嫌だ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。