こんなことになってしまったのは
つい昨日のことだった
遠慮なく私の背中をバシッと叩いた
親友のるい
一ヶ月前大阪からきたるい。
まだすこし大阪弁が抜けないみたいだが
東京にきて一ヶ月...慣れてしまったみたい
なんでるいが照れてるのよ...って
そう思ってしまった
元からうるさかったクラスが
人気者な涼介のせいでもっとうるさくなって
しまった
そしてさっき無駄に照れて私の本音を聞きません
っと断ったくせに過剰に反応するるい。
ちゃんと私の席に来てまで"おはよッ"と
挨拶する君が大好きだった
授業中も目線は涼介にいって
全く授業なんか聞いてなかった
たまにちらっとこちらを見てニコッとはにかむ
涼介はかっこよかった
でも私は知ってる...涼介には
大好きな初恋の先輩がいることもッ
だから私に入る隙間すらなかったってことも
指を指した方向にはッ
涼介の好きな先輩がいたってことも
語尾にハートが付きそうな
甘い甘い声でそう涼介の名前を呼んだ
ここね先輩には彼氏がいるじゃないですか
どうして涼介を甘い蜜で吸うんですか
これは"嫉妬"
独占欲が強い私だけど実際そんなことは
言えないんだ
るいはきっと私の気持ちを知らないから
スラッと言ったってことも知ってるよ
でも傷付くのそんな言葉でも、、
ねぇほっぺたが赤くなってるよ
私にもそんな照れてる顔を
見してよ、、見さしてよ
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。