放課後
私を後ろから愛くるしい声で呼ぶ涼介
それが逆に辛いってこと知ってる?
うんと頷いてしまった自分も充分
馬鹿だなと感じてしまった
歩く二人と揺れる影
何年ぶりかな、何ヶ月ぶりかな、
嬉しいのにトンっと心が鳴り響く
これは辛いってこと??
それとも素直に喜んでるってこと?
変だよ、、こんなの
自分の気持ちがわからないだなんて、、
重い空気に包まれながら
珍しく涼介から口を開いた
口を開いと思えば
聞いてないようなことを話す涼介
そんな、、涼介の家に泊まるだなんて
無理だよ、心臓バクバクだよ
それに私、好きなんだよ
涼介のこと。なのに泊まるって行為は
何回もしてきたはずなのに
好きという感情が芽生えてからは
意識するようになった。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。