第10話

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2020/10/01 15:04
いっちー(壱)
ヒガシノマチニ、ヒトリダケ…ケハイヲカンジタンダ
いっちーのその言葉に、この場にいる全員が震撼した。
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
そ、それ、本当?
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
私たち以外にも、生きてる人がいるってことよね…?
樹谷 マコト
樹谷 マコト
東か…いっちーが行ける距離ならそんなに遠くはないだろうが…
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
…行こう
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
行くしかないよ
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
希望があるんだから…ね?
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
…そうね、同感だわ
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
行かないなんて、自分で希望を潰してるわよ
樹谷 マコト
樹谷 マコト
そうだな、そこでどんな目に遭っても後には戻れないが…
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
でも、ここに留まってるよりはずっと良いよ…!
樹谷 マコト
樹谷 マコト
今日は移動してばかりだが、仕方ない
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
じゃあいっちー、道案内よろしく!
いっちー(壱)
ワカッタ…ケド
いっちー(壱)
イチニチジャムリダヨ、サイテイデモヨッカハカカル
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
それでもいいわ、出発よ!
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
行こう!もうこんなとこ耐えられない…()
──────
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
そういえばいっちー、何で人を見つけられたの?
いっちー(壱)
ヨル、ミンナガネテルトキニサンポシテタンダ
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
散歩で行ける距離なのに4日かかるの…?
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
いっちー含めたペット達は、最大時速70キロで移動できるからね
…火の玉って、凄いんだなぁ←
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
…あ、そういえば
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
この辺には雑草とかいっぱい生えてるよね
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
────私たちが最初にいたところには、何も無かったのに。
樹谷 マコト
樹谷 マコト
ッ…言われてみれば…
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
まさか、最初の場所は歓迎の意を示していた、とか…?
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
ひぃ、怖っ…
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
でも、もしそうだとしたら…
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
…うん、色々と合点がいくね
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
というのは?







ハルマが話したのは、このような内容のものだった。
・最初の場所から見える距離に街があったこと
・自分たちの思考をよく読んだ街の配置
・色々な地点の奇妙な点
この3つのことから、私たちは誰かに誘導されているのではないか。
まず最初の街に行かせて、周りを散策させる。
そして、私たちの思考を、それぞれの街で見つけた奇妙な点を紐解くために他の街に行く方向に仕向ける。
樹谷 マコト
樹谷 マコト
納得が行く点は多々あったが…色々確かめてみないと分からないな
逢沢 ハルマ
逢沢 ハルマ
そうだね、だからこそ人を見つけてみなきゃ
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
うん、なるべく急ごう
神崎 ミカサ
神崎 ミカサ
移動されてたら大変だからね
鹿又 アルカ
鹿又 アルカ
じゃあ、少し走りましょうか



この時の私たちは、あんなことになるなんて思っていなかった。

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