第3話

#TWO タウン
29
2020/08/05 11:11
今日、僕はタウンに1人で来ている。
みんなで遊びに来るのも好きだけど、この建物と、飛び交う飛行翼を1人で眺めるのが好きなんだ。
建物の形、デザイン。
全て同じものは無い。
みんな同じに見えても、よく見ると窓の形や数、材質の違い。些細でも、必ず違う所がある。
同じものが無いからこそ、この建物たちがうまく、美しつ融合し合うのだと僕は思っている。
それと飛行翼も同じで、みんな違う大きさ形をしている。

色や形などから、その人の性格を想像したりするのは楽しい。
でも、今は違う。
感情の奥の"無"を感じ、それを気にしてしまい、色々なことに集中する事が出来なくなってしまった。
僕は飛行翼を停めてだた、周りを見ていた。
周りを飛ぶ飛行翼に乗っている人達は、やはり、感情の奥に"無"がある。
はあ、なんでこんなこと感じるのだろう。
他の人も感じることなのかもしれないけどそれだとしても嫌だ。
だってどうしても、マイナスな事を考えてしまうから。
そんな時、
遠くに紫色の小さな光が輝いているのが見えた。
ディアティヌ
(星?)
いやいやいやいや、僕は何を考えてんだ。


こんな昼間に星が見えるわけないし、紫色の星なんてある訳ないじゃないか。
その光はこちらに向かってきている。
ディアティヌ

なんなんだ?
どんどん近づいてくるその光から僕は逃げようと立ち上がったが、目をよく凝らしてみると、その光は人から放たれているものだった。
何か透明な飛行体に乗っている。
飛行翼では、無さそうだ。
何故、人間が光を放っているのだろう。
遂にはその、謎の人は僕の目の前までやってきた。
その謎の人の正体は、少女だった。僕と同じくらいの歳だろうか。
その人は、僕の前で透明の飛行体を停めると、いきなり大声で言った。
??
やっぱり。やっと見つけた!!
ディアティヌ
!?????
(誰?!)

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