第9話
人格の過去ークリ編ー「貧しさ」
クリの過去
クリは、4人兄弟の長男(15)。次男はタケ(11)、三男はマツ(8)、長女はウメ(4)。家は貧しく、父母はいつも働いているので、クリがみんなをまとめている。
朝
考えついたメロディーメモメモ📝
僕は音楽を愛している。だけど、あんまり専念はできない。でも、こうやって考えついたメロディーは毎日メモしている。
服を伸ばす。それだけなのに、メロディーがどんどん思い浮かぶ。日常の全てがドレミに聞こえる。「いつも歌を歌っているみたいだね」とか、「ミュージカル」とかはよく言われる。話し言葉もドレミだ。日常の音で和音ができた。やった。
気づいたら口笛を吹いていたらしい。
みんなで口笛を吹き始める。みんな音楽のセンスがあるようだ。
タケ、マツがメロディーをハモり始めた。さあ、ベース音を吹こう。
ウメを幼稚園に送り、高校に行く。
いつものウソ。弟や妹、父と母のことはヒミツ。言わない。
学校の休み時間は、全て音楽室でのピアノの練習に使う。これは家で音楽を楽しめず家事に打ち込む僕の楽しみ。
音楽室
今日もオシャレなマイが来た。僕の初恋の子。そして、この後、僕と、あなたの人格になる人物だ。
朝口笛を吹いたあの曲。
キーンコーンカーンコーン
この笑顔を見て、僕は決めた。
明日、告白しよう。
これを明日にしてなかったら、この恋は実ってたかもしれない。
放課後