気づいたら 私は 眠っていた
起きると 母親が 待っていた
そして また 父親が カラオケ店に 押しかけてきた
・・・へ。
それからみんなで仲良く歌った。だけど、1人、悲しみの気持ちを持っている人がいた。
ナナside
あなたと私たちが過去にタイムスリップしたことで、父親は優しくなった。父親は優しくなってしまった・・・喜ばなきゃいけないことなんだろうけど、私はどうしても喜ぶことができない。私は厳しい父親に耐えるために生まれた。父親が優しくなることは、つまり、
私がいらなくなるってことだ。
行こう。遠くへ。出来るだけ。
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ナナ・・・お父さんが優しくなった今、存在自体が消えたのかな?でも、そんなわけないか。お父さんが呼んでるんだもん。
ナナー!あれ、いない。ナナー!どこいった?
うん?
うーん。
“あなた達へ
然様ならば、失礼します。もう、私は要らない。だから、私は、ここから消える。身も心も、綺麗にして戻ってくる。”
え。
また、涙が頬をつたう。
ギュッ
誰かにハグされた。
ライ・・・
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車内(脳内)
それからしばらく、みんな黙り込んでしまった。
それから初めに口を開けたのは、ルナだった。
みんながそういうと、遠くから声が聞こえてきた。
不思議なことに、この声が聞こえると同時に私たちの心は軽くなったんだ。
そして、私は自覚した。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。