第10話
お知らせ&ミニ小説
お知らせ
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交代人格のみんなは、それぞれ過去を持っている。でも、過去なんてあるはずない。全部、私の空想なんだ。そんなことを考えながら家の整理をすると、紙をテープでくっつけた本が出てきた。題名は、「たのしいまちのなかまたち」、作者「みながわあなた」。読んでみよう。
“あるところに、たのしいまちがある。そこには、おともだちがたくさんいる。ひとりめは、るなちゃん。

ほかにも、くりくん。

ほかにも、なな、まい、ぴった、あおか、まるながいるんだ。なかよしだよ。
続きもあったけど、読むのはやめた。
ライがいない。
3年の時に書いた、「雷鳴の轟き」という小説を見つけた。主人公は・・・
読み直すと、平仮名ばかりだ。私は「たのしいまちのなかまたち」「雷鳴の轟き」を書いたノートを、学校のバッグに入れた。