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第2話

始まり(前編)
学校帰りに市役所広場に立ち寄る。


特別実習授業の今日は土曜日だったため広場は人が沢山居て、スリとかが安易に出来るようになっていた。


僕は『あの未練』が残っていたからか、こう思った。






『絶好のチャンスだ』






人一人入れるかぐらいの狭い路地裏にそっと忍び込み、他の魔導師が近くを通るのを僕は虎視眈々と待つ。


数分後…
魔導師の女性
魔導師の女性
~♪
10~20代の少し年上っぽいヒーラー系の女性魔導師が僕の前を横切ろうとするのが目に入った。


僕はそれを見逃さず『空間中の物体を動かす』魔法を使い、彼女を後ろから路地裏へ引き寄せる。


同時に『時を止める』術を使う。


一気に人が止まり、静かになる。


この魔法と術を使えるのは周りでは僕しか居ない。


僕は彼女の体に手も触れずに先程の魔法で身分証明書を取り出し、それを僕の服の中へしまう。


そして少しの間彼女の顔から足までをまじまじと見る。


(…よし)


彼女を元の場所へ戻し、『少し記憶を変える』黒魔法をかけ、元の場所に戻す。


これで彼女は身分証明書が無くても気づくことは無いだろう。


僕は『時を止める』術を解いた。


 

静かな空間がにぎやかになる。


僕は彼女を視線で見送ると『記憶したものを復元する』黒魔法を自分にかけ、さっきの彼女の姿になる。


そして路地裏を抜け出し、僕は市役所へ向かった。



*******************


女性役員
女性役員
身分証明書をお持ちでしょうか?
小柄な女性役員が聞く。
ルカ
ルカ
はい、どうぞ。
僕はそう返し、先程借りた(盗った)身分証明書を見せた。
女性役員
女性役員
ジャスミン・ボールドウィン様23歳、ヒーラー系の魔導師ですね。
ルカ
ルカ
はい
僕はヒーラー系の女性魔導師になりきって返事をする。
女性役員
女性役員
今回はどのようなご用件でおいでになさったのですか?
ルカ
ルカ
『魔力の実』を買いに来ました
女性役員
女性役員
分かりました、今ご用意いたしますので少々お待ちください。
―『魔力の実』。


それは僕のような魔法を使える人間が強くなるために使う不思議な植物だ。


あまりにも強力過ぎる為食べ過ぎてはいけないらしく、役場で身分証明書を見せなければ買うことが出来ない。


しかも食べれるようになる年齢、個数まで決まっている。


だからって僕は制限無く食べたいっていうことでここまでしているわけでは無い。
まだ一度も買ったことが無いし、買える年齢にも達している。



何故か、買うのを拒否されているんだ。



*******************



―それは少し前の日のことだ。


普段の格好をして、自分の身分証明書を見せた。


すると、
男性役員
男性役員
……申し訳ありませんが、ルカ様の魔力の実の購入は出来ないことになっているらしいです
ルカ
ルカ
な、何でですか!?
僕はとっさに理由を聞いた。
男性役員
男性役員
あなたは王国での戸籍情報の血縁関係上、魔力が非常に強くなっています
もし魔力の実を食べたら…
ルカ
ルカ
食べると…どうなるのですか?
そう聞くと、彼は青ざめて声を震わせてこう言った


男性役員
男性役員
…僕の身分ではっ、…これ以上言うと…


怯える役員を見て、僕は感じた。




僕には、『何か』があることを…