第17話

グク ヌナ(後編)
36,590
2020/04/01 09:00
___全部ふたりで味わおうね



辛いとき悲しいとき、嬉しいとき楽しいとき












狂うとき










全部ふたりで___






















服を捲られると自然と両手を上げて脱がされる体制になる










キャミソールの肩にかかっている部分を下にズラされ腕を通されると下に落ちた
口付けが止むと 下唇・顎・首・鎖骨 の順でキスを落とされる
グクのさらっとした前髪が肌に触れるのもまたくすぐったくて興奮材料になる




頭を支えられてゆっくりとソファに倒される




腰辺りにあったキャミソールは既に脱がされている











「…えろい」










その一言だけを呟いて谷間に顔を埋めると胸にマーキングを付けた




背中に手を回されると慣れた手つきでホックを外されブラは上に移動させる
両手で豪快に掴むとやわやわと揉みほぐされる

グクの手つきに荒い吐息だけを淡々と吐く

手は胸を触ったまま顔が近づくと周りを丁寧に舐め始めた










『ん…、』










目線だけを下に向けてみるとグクが舌を出して敏感になった唐突部分をお腹が空いた子犬のように美味しく味わっているようだった




グクの手がお腹を伝ってショートパンツを脱がし、遂には下着の中に入ってくる

既に濡れていた秘部はいつもよりも早めに小さな穴へと侵入していった










『あっ、』











丁寧に優しく指を出し入れしてくるグクの大人な手つきに感じないわけがなかった









「きもちい?」











その上目遣いは先程 私がグクに対してしたのと同じものだった

なにも答えない代わりにグクの服の袖をぎゅっと掴む
私だけが下着姿だということに気づかされて恥ずかしかった










「もう挿れていい?」










早く挿れて欲しい。そういう想いで頷いた




既に外されていたベルトを捨ててボクサーパンツを下にさげると膝裏を持たれて秘部に擦りつけられる

そこで時間を稼ぐのは余り好きじゃない




ゆっくり中に入ってくる感覚が好きで好きで堪らない











「余裕なさそうな顔してる」










ふふ、っと優しく笑うグクは余裕がありすぎるみたい




膝裏を掴んでゆらゆらと律動を始める

至ってゆっくりのペース










「ヌナのここ、丸見え」











今度は意地悪そうな笑みを浮かべた顔をして、私じゃなく 顕(あらわ)になった秘部を見つめてくる









「あ…締まった」











声に出さなくていいのに…

腰を動かすリズムは変えずに『はぁはぁ』と荒い息を漏らす私をいじめているだけ









「締めすぎ」










グクがそういうことを言うからなのに…。わざとだと分かっていても感じてしまう









グクは姿勢を低くして私を抱き締める体制になる

それを利用して余裕そうな彼の背中に脚を巻き付ける










「ヌナ、?」

『…動いてよ』










少しだけ口角をあげて挑発気味に言う
今日の朝のようにくりくりな兎の目だ




するとグクは自分の腰の位置を変えると、私の腰を掴んで上から突いた










『あ…っ、……まって…それ』











今度はグクが口角を緩めた











「ヌナの嫌いな体位だよ」











グク…?



兎みたいな顔をしておいて心は悪魔だ











「…何回ィくかな」











この体位は私の一番嫌いな体位











『ぁあっ…!んあ、』

「好きの間違いでもあるよね」











さっきからなにを呑気にベラベラ喋っているのだろうか

私はこんなにも余裕がないと言うのに








前に一度、グクからこの体位で感度を試されたとき死ぬほどィき狂ったのを思い出す










『ャっ、あ』











"やめて"の声も出ない程、苦しい











『んぁ…グク、ぅ』











目線でやめてと訴えても笑顔で腰を動かすだけ










「……俺の事、誘ったりなんかするからさ…………」









「…ヌナのこと、どういじめようかで悩んで……おかげで全然作業進まなかったんだからね……?」










「…………っはぁ、……ヌナは、こうされたかったんだ…、……」











"ちがう"の一言すら出ない











『んんっ、……んあぁ…!あっ』











死んじゃう。気持ちよすぎて











グクのモノが奥まで伝わってくるんだ。体に電流が走る感覚











この体位を始めてどれくらいが経過しただろうか…。

彼は唐突にこの言葉を吐き出す











「あー…数えてなかった」














「もういっかい、数え直さなきゃ。ヌナがィく回数」











悪魔だ…この人に新しい名前をつけるなら悪魔。ほら、その笑顔にぴったりだ











「ねぇヌナ………………、」




















「……………………一緒に狂おうね?」











END.

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