第27話

ユンギ 🔞
55,315
2020/08/10 03:41
「あなた」




たったひとつ違いで年上の彼女のことを、俺は名前で呼んでいる。




『ん?』

「飲むの、付き合ってよ」

『…笑』

「…なんだよ」

『いや?ユンギが誘ってくるのって珍しいなぁって思って?』

「……やっぱいい」

『嘘嘘。飲みます』




何が嘘なのかは全く分からないけれど、ダイニングテーブルに移動して椅子に腰かけたあなた。


この人はお酒、弱いからいつも水割りを与えている




『ユンギが飲んでるやつ、度数どれぐらい?』

「…かなり強めだけど。」

『ずるい。私もそっちがいい』

「酒にずるいとかねぇから。」

『やだやだ、ちょうだいよ』




既に顔を赤くしているのに、手招きして俺が持つコップを要求してくる。





「ほんと子供みてぇ」




まぁ、要求には応えなかった。




『ユンギぃ…、』

「…………」




気付けば俺の名前を呼びながら夢の世界。

あー…やっぱ誘わなきゃ良かったかな。




「寝室運ぶぞ」

『…重いよ』

「知ってる」

『ばか、』




力ない拳で胸板、ぽこられた。


彼女をベッドに寝かせて体を起こそうとすると、寝てるはずのあなたから腕を引っ張られ、覆い被さる体制になってしまった。




「…なに」




あなたはうっすらと瞼を起こして、俺を視界に捉える。




『…シない?』




彼女からの意外な言葉に内心驚いたものの、酔ってるこの人は相手にならないと思って流そうとした。

特に断りの返事もなく、彼女の視界から外れる。が、再び服を摘まれ引き戻された。




『…どこ行くの、』

「シャワー」

『じゃ…私も』

「お前酔ってるじゃん」

『…ユンギさ、ヌナって呼んでみてよ。私のこと。』

「は?…」

『ヌナがいい』




この人は本当にわがままだ。たまに…というか、しょっちゅう子供みたいなところがある。まぁそれが彼女のいい所でもあるんだけれど。




「そう呼んだら満足すんのか」

『…しない』

「そんじゃ、呼んだって意味ないじゃん」

『……嫌い?私のこと、嫌いでしょ…』

「は?何言ってんの」

『そうならそうだって言ってよ…。私、馬鹿だから気付かなかった…』




勝手に別れ話に持っていってるこの人の目からは涙が出ている。




「マジでなに、情緒不安定なわけ?」




半分苛立ちながらも彼女のことを抱きしめた。

少しは安心できるかなって。




『キスも減ったし…今日、飲もうって誘ってくれたのは嬉しかったけど……最近ずっとシてない…』

『ユンギが満足できる様な彼女じゃないってことでしょ?』




多分この人、馬鹿だ。

今思ったところで今更感すごいけど。




「…なぁ、お前それ以上言ったら拳出るぞ」

『ほら…また怖いこと言う』

「だから俺は、…」




あなたを汚したくなかったから、なんて言ったら嫌われるだろうか。

『ユンギらしくない』って逆に断られるかもしれない。

結局俺も彼女からの言葉を気にしていて、お互い似た者同士。




「…………スルか?」

『…どうせ仕方なくでしょ』

「ちげぇよ、素直じゃねぇな」




彼女を再度寝かせて、キスをした。程よくお酒の香りがしているのも嫌いじゃない。




『ん、』




どこか心地良さそうに身を捩(よじ)らせる彼女の服を捲って下着の上からふたつの膨らみに手をかける。




『まって…くすぐったい、』

「誘ってきたの誰だよ。じっとしてろ」




背中に手を回してブラのホックを解き、下着を上にズラした。

声を堪えようと口を抑える彼女を、何としても喘がせたくて唐突部分を弄り始める。




『…ん…、ふ…ぁ』




指と指の隙間から声が漏れている。


顔を下に移動させて、腹部にキスを落としながら履いているズボンのチャックを外す。

自然と腰を上げてくれるから、下を脱がして少し湿っぽいソコに手をやる。

彼女の弱そうな箇所を見つけると 指で円を描くようにして重点的に攻め続けた。

一瞬イってしまいそうになる彼女の下着に手を忍ばせて、既に濡れた秘部に指を入れる。




『…ッ、はァ』




吐息だけを永遠と漏らす彼女が眉間に皺を寄せた。

表情と声の間(ま)の取り方でイきそうになるのを堪えていることなんて直ぐに分かってしまう。




『ゆんぎ、っ…ぁ、だめ』




だめじゃないくせに…そう思いながら強めに膣中を掻き回すと腰を若干反らせて果てた。




それを合図に下着を取って、自分のベルトに手を回した。
「…挿れるぞ」




念の為に声をかけると、手で顔を覆う。

本当は全部見せて欲しいのに。




『うっ、ぁ…!』

「っ……力、抜け。」

『ゆんぎ…ぃッ』




涙目で訴えてくる彼女を包み込んで、最後までゆっくりと侵入させた。




「…その手、邪魔」

『だって…っ』

「痛くしねぇよ」




こんな可愛い彼女、痛めつける奴がどこにいるのか知りたい。




『ふ…ァ、…』




久々に挿れるにはやっぱりキツくて。

形をとる為にしばらく動かなかった。その合間に少しでも体の力が和らぐ様にと、キスを挟んだ。



舌をすくって絡ませたり。彼女から積極的になる部分もあって、それがどこか嬉しく感じた。




『…はァ、』

「動くぞ」




小さく頷いたのを合図に体を起こして膝裏を掴む。

再び顔を手で覆う彼女。腰を引いた。




『ッ、』




ギリギリまで抜くと、今度はずっと奥へと押し込む。

この動作がしばらく続いた。




「…顔、見せろ」




ふるふると首を横に振る。




「大丈夫…可愛いから、」




本心だった。感じているあなたをもっと見たい。

彼女の手を取り、下で持って固定した。

あなたの揺れる息、髪、瞳、胸、全てが愛おしく思えてくる。




『…っンは…、もッ…ァ』




膣中が締まるのを自分のモノで感じ取り、腰を振る速度を上げる。

遂には逃げ腰になってしまうあなたの身体をなるべく優しく抱き締めて、キスで口を塞いだ。




『んぅ…ーーッ、ぁ!』




びくびくっ、と強く腰を震わせて2回目のイき。



自分のモノをゆっくりと外して、彼女の身体を起き上がらせた。

ベッドの柵に寄りかかって、その上に彼女を乗せる。

嫌でも深くに沈んでしまう身体を懸命に動かして、シーツに膝を付けたあなた。



俺の胸板に手を添えると、ゆっくりと動き始める。

あなたの腰を撫でながら、上下に揺れるその姿をじっと見ていた。



俺のモノを使って自分の感じるところ重点的に突いている彼女、反対に俺を癒そうと弱い箇所を見つけようとする彼女、どちらも好きだ。


次はどういう風に突こうかな、とか…ばかみたいなことばっか考えてる。




「ッ…ーーァッ」




イきそうになるのを堪えて、天井を見る。そんな俺の姿を見て何かを察した彼女は、先程よりも腰を強く打ち付けてくる。




「…まて、それッ……ァ…やば…っ、」




びくっ、と反応したソレはもはや限界。




「……そと、だすからっ…」




そう伝えているのに、辞めようとしない。




「ーーッあなた、」

『…避妊具付けないユンギが悪い…っ』




このご時世、避妊具を忘れる俺はいい男だと言えるのだろうか。




「…アッ、!…」




限界を迎えたソレは遂に欲を吐き出した。


腰を未だに離すことない彼女。




『もしできちゃったとしても…、ユンギとなら怖くないから…』




そういう甘い言葉が俺をだめにするのに。




姿勢を整えて彼女を抱きかかえ、少し下に彼女の身体を落とす。

彼女が癒してくれた分、下から突いた。




『んぁッ…!、』




肌と肌がぶつかり合う音ですら聞こえなくなる程、自分の脳内はあなたで埋め尽くされた。




たまには呼んでみてもいいかもしれない。




「ヌナ」って。









END.

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