第6話

テヒョン 酔い
46,441
2019/06/17 12:39
会社の飲み会で酔ってしまったテヒョンさんを、「お前が送っていけ」と上司に言われ、仕方なく車に乗せてるところです。










『テヒョンさんの家ってどこですか?テヒョンさん…!』

「…んぅ、」










しっかりとした意識が無いのか、曖昧な返事しかくれない


道に迷いながらも、何とかして聞き出した場所に車を走らせ やっと家を見つけた











『ほらっ、しっかり歩いて下さい』












男の人の体は、思った以上に重くて しかも酔っている男の人を連れて行くのはそれ以上に大変


玄関に来ても、まだフラフラ状態なテヒョンさんが心配になって 大変だけれど寝室まで送っていく事にした

寝室には、大きなシングルベッドがポツンと置いてあり ベッドの横の棚には彼女さんだろうか……。ツーショット写真がかけられてあった












『彼女いるんだ………、』













そりゃ、もういい歳だし このビジュアルで彼女居なかったら可笑しいよな、とか考えながらテヒョンさんの体をベッドに降ろす

と同時に、腕を引っ張られてそのまま胸にダイブする感じになってしまう













『テ、テヒョンさんっ!?』

「ん〜……リナ…ー、」













リナって誰…彼女さんの名前かな、
もしかしたら私を彼女さんと勘違いしているのかもしれない。


そのままぎゅぅっとキツくハグされる












『私、あなたですぅ…』













急に意識を取り戻したかの様に、立場が逆になって 私が下、テヒョンさんが上で 馬乗り状態













『…え』












腕を頭の横で固定されると、どんどん顔を近づけてくる











『ち、ちがっ………』












ねっとりとした分厚いキスが唇に触れて、私を彼女だと思い込んでいるテヒョンさん。遂には 舌までねじ込めてきた












『んぅっ…!』











私にキスの経験は余り…というか全然無いし、いい加減 ただの後輩だという事に気付かないのだろうか…



それにしても、凄くキスが上手い……

いつもこんなキスを2人でしてるのかと思うと、彼女さんが羨ましく感じてしまった












「…はぁ」













なんかテヒョンさん…エロい、


唇が離れると、ワイシャツのボタンをプチプチと外していくその手。












『えっ…テヒョンさん、ちゃんと目を覚まして下さい…!』

「はは、口塞ぐよ?」












笑ってるわりには、割と恐いこと言ってくる

こーいうの何気初めてで…何をすればいいのか全然行動に出せない。



背中に手を回し、ホックに手をつけながら鎖骨に軽いキスを落としていく




下着を上に捲られると、敏感な唐突部分に指を移動させ 親指と人差し指でコリコリ弄ってくる











『っ………、だめ、です……』













私はテヒョンさんの何でもないのに…お願いだから早く気づいて

そこに唇を近づけようとするからまさかと思って肩を強く押してみるけれど、もう遅くて ちゅうちゅう とまるで赤ちゃんの様に容赦なく吸ってきた












『ふ、ぁ…そんな、に…っ』












いつもこんな大胆な手順なのだろうか…

彼女さんはこれをどう受けとっているだろうか…











『だめ…本当に…っだめ、こんなこと……っ、』












今まで散々感じてきたクセに、なに今更拒否ってるんだと自分でも思った


次にベルトを外すと ズボンのチャックを下に提げ始める
それだけはどうしても避けたかった











『っ、だめです!テヒョンさん、!』












待って。私、初めてだし…どれだけ痛いのかも知らないのに……ゴムという物、絶対つけてない












『あぁ、ぁっ!』













初めては予想通り痛くて、でもそんなの全然気にしてなさそうなテヒョンさんだし…急に変なこと喋り出した












「…なんで………、っ」

『へ…?』

「俺だけを見てくれるんじゃなかったの……?」












完全に私のことを彼女のリナさんだと思っているらしい

そのまま聞き逃そうとしたんだけれど、どうも喋る内容が可笑しかった













「俺は…っ、お前だけを見てたのに……お前だけしか、」












急に腰の速さを加速させた













『んっ、ぁ』

「ね、答えて…?ちゃんと答えてよ……リナ…、」













段々、行為のことよりもテヒョンさんが話す内容の方に耳がいって 遂に知る事になる。テヒョンさんが話したかったこと。













「何で浮気なんかするのっ…?」













どうやら、テヒョンさんは彼女さんと上手くいってないらしい












「リナ…好きだよ、好き……愛してる、」












その言葉を聞いて思わず泣いてしまいそうになった

本当に彼女さんが好きなんだって伝わってくるし…こんなに愛していることも知らずに浮気されちゃうのも…全部可哀想だって思った











その後は、キスばかりで…テヒョンさんは「愛してる」の一言の一点張り。












「愛してるって言って……」












なんて言う こんな弱ったテヒョンさんは、見た事がなくて…いっその事 自分が彼女だったらこんなに傷付けたりしないのにって考えてたりした。












『あいしてるよ、…?っだから……こんなこと、もぉやめよっ?』












そう彼をとめたのに…












「足りない」













の一言だけだった。












『ァッ、!…』












狂ったのかと心配になるぐらい情緒不安定で、自分が気を失うまで腰を打ち続けた











「……」












寝てしまったテヒョンさんを確認した後に、服を元の様に着替えて何事も無かったかのように家を出る。












次の日の朝まで、テヒョンさんの様子が気になっていたけれども 今日もいつも通りの明るいテヒョンさんだった。












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