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第3話

兄弟猫をきっかけにして
丈春さんと別れて、自宅へと帰り着く。


いつになく落ち込んでいたけれど、丈春さんと会えたことで、少し癒やされた。
真弓 朋果
真弓 朋果
ただいまー
朋果の母
朋果の母
おかえり、朋果。
先生から電話があったよ
真弓 朋果
真弓 朋果
あ……うん

手洗いとうがい、着替えをして、家の手伝いをするのが、いつもの日課。


その間、母とは進路について話さなかったけれど、父が仕事から帰ってきて夕食の時間になると、いよいよその瞬間がやってきた。
朋果の父
朋果の父
朋果自身は、どう考えているんだ?
卒業したら働きたいのか、進学したいのか
朋果の母
朋果の母
漠然ばくぜんとでもいいから、何か思うことはないの?

父と母からの問いに、私は首を横に振る。
真弓 朋果
真弓 朋果
それが、分からないの。
『これだ!』って思えるものが全然なくて……。
お父さんとお母さんは、私にどうしてほしい?
朋果の父
朋果の父
こら。
自分の人生なんだから、親に決めてもらうのはおかしいぞ?
でも、今のままではまずいと思えたのは、よかった
真弓 朋果
真弓 朋果
そっか……。
そうだね
朋果の母
朋果の母
私たちの言葉に左右されるんじゃなくて、まずはいろんな経験をして、何かを見つけてみなさい。
先生とも、そういう約束をしてるんでしょう?
真弓 朋果
真弓 朋果
……うん。
分かった、ありがとう

夕食後、自分の部屋に戻り、図書館で借りてきた職業図鑑を開いてみる。


誰もが知っている職業から、聞いたことのない珍しいものまで載っていた。
真弓 朋果
真弓 朋果
へえ、ひよこ鑑定士……。
シューフィッター……。
いろいろあるんだな

どの仕事も大変そうだが、実際に働いている人のインタビューを読んでみると、それぞれに充実していて、仕事に誇りを持っている様子が伝わってくる。


当然ながら資格が必要な職業もたくさんあって、仕事に就くまでも並々ならぬ努力をしなければならない。


そんなことが、私みたいな生半可な気持ちだけで続くだろうか。
真弓 朋果
真弓 朋果
(すごいな……。私は、どんなことが向いているんだろう)

ページをめくっては感心するものの、自分がぱっと興味を引かれる職業は――ない。


私が好きなことをいて言えば、テレビを見たり音楽を聴いたり、ネットサーフィンをしたり……というくらいで、それらを職業に活かせるとも思えない。


特技を聞かれたら、中学生までは「卓球」と答えていたけれど、それも今は続けていない。
真弓 朋果
真弓 朋果
(今から何か新しい習い事をしても、続けられる自信もないし……。どうしよう)

いったん本を閉じ、深呼吸をして、焦らずに見聞を広める方法を考える。


しかし、考えても答えはすぐには出てこなかった。



***



何も方針が決まらないまま、翌日を迎えた。
真弓 朋果
真弓 朋果
はあ……

クラスのみんなが夢を持って生き生きしているように見えてしまって、焦燥に駆られる。


俯いたまま自宅へと向かっていると、マンション近くの木々の陰で涼んでいる、ごまとだいふくを発見した。
真弓 朋果
真弓 朋果
(寝てる? 気付かれないうちに逃げよう!)

足音を立てずに、でも足早に歩いて通り過ぎようとしたけれど、彼らはすっと頭を上げた。


そして、私を見つけるなり、たたたっと足元に駆け寄ってくる。
ごま
ごま
ニャオーン
真弓 朋果
真弓 朋果
なんでまた!?
私、ごはんは持ってないよ……?
だいふく
だいふく
ミャッ

ごまには頭をこすりつけられ、だいふくには尻尾しっぽを巻き付けられ、今日もここから動けなくなってしまった。
真弓 朋果
真弓 朋果
ひぃぃぃ……!
ほんとなんで!?
そうだ、お母さんに電話して……!

下手に動いて刺激するよりは、猫に慣れた人に助けてもらった方がいい。


母が自宅にいるはずだと、鞄からスマートフォンを取り出そうとしたところ、背後から足音が近づいてくる。
蓮井 丈春
蓮井 丈春
あれっ、また君におねだりに行ったの?
えらく懐かれたね。
なんかけるんだけど

振り返ると、丈春さんが珍しいものを見たような顔で笑っている。


彼は大学からの帰りのようで、鞄を肩から提げていた。
真弓 朋果
真弓 朋果
私、何もしていなのに、なぜか近寄ってくるんです!
蓮井 丈春
蓮井 丈春
大丈夫だって。
そのままじっとしてて。
すぐに戻るよ

困惑する私を落ち着かせながら、丈春さんは一度マンションに入り、餌を手にして戻ってきた。


しくも、猫たちをきっかけにして、私たちの距離は少しずつ縮まりだした。


【第4話へつづく】