ぺけ side
家から待ち合わせの場所まで10分も
かからないのに
30分早くに家を出た。
やっとあなたに会えるんだよ?
そりゃ30分早く出て、
早く会いたくなるよ 。
あなた今どこかな
まさかもう着いてるのかな…
いや、それは早いな 笑
あ、喉乾いたからコンビニ行こう。
飲み物を持ってレジに並んでたら、
目の前の男があなたの雑誌を持っていた 。
正確に言うとあなたが表紙の
ファッション雑誌だ。
売られてるなんて知らなかった。
並んでた列から出て、
雑誌売り場に足を向けた。
黒のコートを着てポーズを取ってる
俺の彼女。
ものすごく可愛い。
でもこの本が他の男の目に入るのは
悔しいな… 。
ま、俺の彼女なんだけどね
本と飲み物を手に取って
再度列に並ぶ 。
買った雑誌をリュックの中にいれて、
待ち合わせ場所へ足を運ばせる。
早く会いたいなあ…
遊園地ついたらどこに行こう、
そんなことを考えてたらすぐ着いた。
待ち合わせ場所には、
俺の大好きなあなたがいた 。
俺が彼女の名前を呼ぶと、
すぐ振り向いてくれた
ああ、この笑顔が大好きだ。
ビデオより雑誌より何倍も可愛い。
彼女の小さな手をふわりと包むように
抱きしめ、遊園地へ向かっていった 。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!