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2020/01/11

第47話

太宰兄妹事変-其ノ弐
You
You
治ッ···!!!
あなたはひたすらに走った。



頭の中で、鈴の音がまるで警報のように鳴り響いている。




が、間に合わず。
太宰 治
太宰 治
ぐはッ···!
太宰の体はゆっくりと傾いていった。
You
You
治···治!
太宰と国木田のふたりが見つけた悪人のアジトで、あなたの声だけが、虚しく響き渡った。
とある病室に、太宰は寝かされていた。


太宰は昏睡状態で、三日間一度も目を開かなかった。
You
You
治···目を開けてよ
その間、あなたはずっと太宰の手を握っていた。

探偵社の社員は、そんなあなたを心配して、交代で病室を訪れていた。

この日は国木田だった。
国木田 独歩
国木田 独歩
あなた···
じっと太宰を見つめるあなたを、国木田は心配そうな表情で見ていた。


その時だった。
太宰 治
太宰 治
ん···
太宰が目を覚ましたのだ。
You
You
治?···治!!
国木田 独歩
国木田 独歩
太宰!
あなたと国木田が同時に声を上げた。
太宰 治
太宰 治
国木田君...?そんなに慌ててどうしたんだい?
国木田 独歩
国木田 独歩
お前...三日も起きなかったんだぞ!!!
太宰 治
太宰 治
そうなのかい?そういえば体が酷く痛む。...ところで、其方の可愛らしい方は誰だい?
You
You
!!
太宰はこてんと頭をかしげながら、あなたの方を見た。
国木田 独歩
国木田 独歩
太宰···覚えてないのか?
太宰 治
太宰 治
あぁ···というか、こんなに可愛らしい女性なら、一度合ったら覚えている思うのだけれど
You
You
治···?
太宰 治
太宰 治
···君の名前は、なんと言うんだい?
You
You
ッ···!!
あなたは、病室を飛び出した。

外に出て、ひたすら走った。
───その日は、大雨だった。

あなたの目からは、大粒の涙が零れていた。

濡れるのも構わず走っていると、一人の男とすれ違った。

ポートマフィアの、中原中也だった。
中原 中也
中原 中也
おい、あなた?···どうしたんだよ
あなたは構わず走った。

中原の呼び止める声も、何も、聞こえなかった。



あなたは、とある所で立ち止まった。

織田作の、墓の前だった。
You
You
織田作ッ···!
あなたは墓の隣に腰を下ろし、墓に背中を預けた。
中原 中也
中原 中也
おい!あなたっ!
こちらにきたのは、中原だった。
追いかけてきたようだ。
You
You
来ないでッ!
中原 中也
中原 中也
ホントどうしたんだよ···!
You
You
来ないで中也。···独りに···させて···
中原 中也
中原 中也
あなたがかなりの傷心である事を中原は悟った。

中原は走った。

あなたがあんなに傷つく原因は、一人しか思い浮かばなかった。

でもそれは、一番危険な可能性だった。
中原 中也
中原 中也
太宰ッ!
中原は病室の扉を乱暴に開けると、ズカズカと太宰の元へ歩み寄った。
太宰 治
太宰 治
中也といいさっきの女性といい、何故皆そんなに慌てているんだい?
中原 中也
中原 中也
オイ眼鏡、さっきまでここにいたのはあなたか?
国木田 独歩
国木田 独歩
ああ···そうだ···
そう答えた国木田の顔は酷くくもっていた。
中原 中也
中原 中也
太宰、本当に覚えてねェのか?
太宰 治
太宰 治
何が?さっきの女性のこと?知らないよ
中原 中也
中原 中也
(此奴ホントに覚えてねェのか···!?)
手前···巫山戯んなよ···
そう声を絞り出した中原の表情は、酷く悲しく、苦しそうだった。
太宰 治
太宰 治
巫山戯てなどいないよ···
中原 中也
中原 中也
ホント手前、莫迦ッ!!!
パシン。と乾いた音が響く。
太宰 治
太宰 治
中原が太宰の頬を叩いたのだ。
太宰 治
太宰 治
中也···もしかして私は···忘れてしまっているのかい···?
中原に尋ねる太宰も、酷く悲しく、苦しそうな表情をしていた。
中原 中也
中原 中也
ンだよ
チリン···チリン···
太宰 治
太宰 治
!!!
鈴の音が、太宰の脳内に響き渡った。
太宰 治
太宰 治
あなた......?私の可愛いあなた...?...っ!あなた!
太宰はすぐさま、病室を飛び出した。
矢張り外は大粒の雨が降っていた。

まるで、あなたの心情のようで、太宰はまだ体が痛むことさえも忘れ、無我夢中だった。
太宰はひたすら走り、とある所で立ち止まった。

織田作の、墓の前だった。

その墓に寄り添うようにして、あなたは居た。

大粒の涙を流しながら、泣き疲れて眠ってしまっていた。
太宰 治
太宰 治
あなた···
太宰はそんなあなたを優しく抱きしめた。

冷たかった雨は、暖かい小雨へと変わり、太陽の暖かな光が、二人を包み込んだ。
You
You
ん···
You
You
(なんか、暖かい...?)
太宰 治
太宰 治
あなた...ごめんね...
太宰だった。
You
You
治···治!
あなたは、太宰に抱きついた。
You
You
思い...出してくれたの?
太宰 治
太宰 治
あぁ...ごめんねあなた...
You
You
治···


数分後、二人は手を繋いで待っている皆の元へと帰った。
太宰 治
太宰 治
織田作、ありがとう
そう言葉を残して···