あれから毎日のように会いに行った
丈くんと大ちゃん以外の先生に
西宮さん最近良く図書室行くわね
なんて言われても図書委員なんでって誤魔化してた
高橋 「 何 、 今日も来たん ? 笑 」
『 もうル ー ティ ー ン 笑 』
なんて普通に話してるけど
今思えば私が高橋くんに会いに行くのが
楽しみになったのは
友達がいないからなんだと思う
『 ね ー 高橋くん 』
高橋 「 ん ? 」
『 私たち友達って思ってもいいんよね 、 ? 』
高橋 「 なんでそんなに不安そうに聞くん
当たり前に友達やろ 」
『 そうだよね 、 ! 良かった ! 』
恐る恐る聞いてみると
高橋くんの返事言葉がとても嬉しくて
不安なんかどっかに飛んでいった
元々友達なんか居ない私は
すごく嬉しかった
『 私友達いなくて 、 ありがとう高橋くん 』
高橋 「 なに友達おらんの ? 」
『 ん ー みんなただの同級生って感じ
自分から話しかけに行かない自分が
悪いからなんとも言えんけど 、 、 』
高橋 「 ふ ー ん 、 ま 、 俺が友達やから
もし聞かれたら普通に友達って
言っていいから 」
『 うん ! 』
そうやって言葉をかけてくれる高橋くんは
とても優しくてかっこよくて
その時一瞬だけ私のヒ ー ロ ー になってくれた
みたいだった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。