第11話
第十一話
あいつらの言葉が頭の片隅にあるものの、
平穏な日々がすぎた。
いつやってくるんだろう…
…私なら、大丈夫。最強になるまで訓練したから。
そう思うもののやっぱりちょっと不安だ。
人の隣にいるのは苦手だ。
だけど、こいつの隣にいても不快感とかないし、いたところでなんも変わんない。
知念って、独特なタイプかもしれない。
いっつも同じ屋上にいても、ちょっと喋ったっきりなんも喋んない。でも、そんな空間が苦にならない。
逆に、この適度な距離感がちょうどいいくらい。
次の授業を告げるチャイムが鳴り響く。
そう言って知念は日陰に向かって行って寝転んだ。
なんかあいつ、猫みたいだな…w
ひとしきり音楽を聞いてから、退屈になった。
今日は、もう家帰っちゃお…
学校を出て、電話をかける。
学校を出てすぐある広い公園を散歩する。
スマホばっか見てたから、緑見なきゃ…
そんなことを思いながら歩いていた。
…ん?何か気配を感じる。
────誰か来る
そう思ってブーツの底に入ったバタフライナイフに手をかける。
後ろから複数の人に押さえられる。
咄嗟に技をかけてぬこうとしたものの、相手がかなりの強者でなかなか抜けない。
抵抗して後ろを振り返ると、私を抑えていたのはプロボクサー並のガタイの良さの男5人。
こりゃしょうがねえわ…
ここで抵抗して余計な力を使うよりも、逃げ出す用の力をとっておいた方がいい。
抵抗をやめて大人しく黒塗りの車に乗せられる。
遠くから声が聞こえる。
助けに来てくれたのかな…
そう思って振り向こうとするも、口に当てられたハンカチに一瞬で意識を飛ばされた。