「じゃあこのクラスはクッキー販売でいいなー?」
その先生の言葉にパチパチと拍手が起こる
「じゃあ決定。シフトは文化祭委員に任せるからよろしくー」
と、なんとも担任らしくない言葉を残して教室から出て行った
「……じゃあシフト決めしまーす」
と、文化祭委員が教壇に立ってシフトを決め始める
「なぁ、シフトどこ入んの?」
シャーペンの頭で私の腕をチョンチョンとつつきながら聞いてくる平野くん
「別に…どこでもいいから余ったとこ入るつもりだけど」
仲の良い友達もいない私にとって、文化祭は退屈すぎる行事。
なんなら全部シフト入ってもいいくらいだと思っていた
だが
「じゃあ、俺と10時からのやつな」
「え…なんで」
「良いから」
と、シフトで1番人気の時間帯に手を挙げる羽目になってしまった
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!